申    入    書



<同文を柏崎市長にも提出しました>
新潟県知事 平 山 征 夫 様

 柏崎刈羽3号用MOX燃料の輸送が、来週にも開始されようとしています。私達は、以下の理由により、この輸送に大きな危惧をいだいています。

 まず、輸送予定のMOX燃料では、燃料ペレットの外径データがねつ造が行われた疑いが濃厚です。東京電力は1ミクロンきざみのデータがあるのにそれを公表せず、わざわざ4つずつ足し合わせた4ミクロンきざみのデータしか公表していません。このようなデータ加工をすると、関西電力の不正燃料でもグラフの異常性が消えて、不正がないかのような形になってしまいます。このことは、12月13日に私達が行った交渉で、通産省も「理論的にはありえる。当然グラフの形が違うと思う」と述べて認めています。

 そこで私達が独自に、4ミクロンきざみのデータから、1ミクロンきざみのデータを予測したグラフを描いたところ、明らかに、なんらかの操作が行われたことを示唆する異常性が現れています。この抜取データの異常は、人為的な操作以外に説明がつきません。東京電力は、関西電力が公開したように1ミクロンきざみのデータを公開し、その実際の異常な形を示すとともに、なぜそのような異常があるのかを説明するべきです。

 さらに、東京電力は、福島地方裁判所で係争中の福島T−3号MOX燃料使用差止仮処分の裁判で、@データ不正がないことを示す立証責任は東電側にはない、A不正疑惑がないのにベルゴニュークリア社にデータ公開など要求できない、という立場を表明しました。MOX燃料を使用する電力会社が、データ不正の有無を明らかにする責任を全く放棄してしまったのです。

 この姿勢は、BNFL事件を受けての世論に逆行し、さらに通産省やBNFL検討委員会の指示にも反し、原子力の安全運転という社会的に課せられた電力の責任を放棄するものと言わざるを得ません。

 初めからデータ不正などないという東京電力の姿勢は、関西電力が高浜4号でとった態度と同じです。しかし、高浜4号でデータ不正を証明したのは、電力会社の主張や国の検査結果ではなく、データ自体だったのです。

 燃料が柏崎刈羽原発に到着してから、データ不正が明らかになるというような高浜4号の二の舞は避けるべきです。よって、以下のことを申し入れます。

                                 申 入 事 項

1.東京電力に対し、柏崎刈羽原発3号用MOX燃料データの公開を要求してください。

2.東京電力に対し、データが公開され、不正がないことが明らかになるまで、輸送を行わないよう要求してください。
2001年1月12日
グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22−75−103
グリーンピース・ジャパン 東京都渋谷区代々木1−35−1 代々木会館4階
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル1階



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