福井県への緊急要望書
プルサーマル炉・玄海3号機の燃料から放射能漏れ
高浜3号機も同じフランス製のMOX燃料を使用します
玄海3号機燃料の漏えい原因が明らかにならない状況で、
12月22日頃予定の高浜3号機プルサーマル起動を認めないでください

   
福井県知事 西川一誠 様

 12月9日、わが国初のプルサーマル炉である玄海3号機で冷却水中ヨウ素濃度の高まりが検出され、燃料の放射能漏れが発生したと考えられています。佐賀県は同日九州電力に対し、「燃料集合体の検査を徹底するよう要請しました」。高浜3号機にも同じフランス・メロックス社製のMOX燃料が装荷されています。玄海3号機の放射能漏えいは、高浜3号機にも波及する恐れが充分にあります。
関西電力は、12月22日頃に高浜3号機を起動し、25日には調整運転に入ると発表しています。これはあまりにも無謀です。
 玄海3号機(118万kW)は昨年12月2日に、わが国で初めてのプルサーマル商業運転を開始しました。それからほぼ1年が経過した12月9日に、冷却水中ヨウ素濃度が通常の約2倍である0.3Bq/cm3に上昇し、10日にはさらにその2倍の約0.6Bq/cm3に上昇しました。そのため九州電力は急遽、原子炉を停止し、予定を前倒しして10日に定検に入りました。
 放射能漏れがMOX燃料で起こったのかどうかは、約40日程度後に始まるシッピング検査によって判明することになります。最近、大飯1,2,4号機や伊方3号機で立て続けに燃料漏れが起こりましたが、それらはすべてステップ2の高燃焼度燃料(およびガドリニア入り燃料)においてでした。それらの漏えい原因が、ステップ2ではない玄海3号機のウラン燃料に直接当てはまるとは考えにくいことです。
 そうすると、193体中の16体とはいえ、MOX燃料を新たに入れたことが直接または間接に影響している可能性も考えられます。初期内圧をウラン燃料より下げているMOX燃料は、伊方3号機で漏れを起こしたガドリニア入り燃料と似た状況にあります。もし仮にMOX燃料で漏えいがあった場合、メロックス社製MOX燃料の信頼性が直ちに問題になってきます。
 高浜3号機のMOX燃料もメロックス社製です。玄海3号機の燃料漏えいという事実を踏まえて、安全を第一にする姿勢を貫いてください。
 玄海3号機燃料の漏えい原因が明らかにならない状況で、高浜3号機のプルサーマルを起動させることは無謀です。高浜3号機のプルサーマルの起動を認めないよう強く要望いたします。
2010年12月15日
要望書提出団体:
原子力発電に反対する福井県民会議/原発設置反対小浜市民の会/敦賀ミツバチの会/福井県平和センター/プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会(福井)/脱原発へ!関電株主行動の会(関西)/暮らしを考える会(滋賀)/グリーン・アクション(京都)/7番目の星(京都)/ミチミチズム(奈良)/日本消費者連盟関西グル−プ/毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち/美浜の会(大阪)/脱原発わかやま(和歌山)
連絡先団体
   原子力発電に反対する福井県民会議
      福井市日の出3-9-3 TEL/FAX 0776-25-7784
   プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会
      三方上中郡若狭町気山145-6-1 
   グリーン・アクション
       京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
       大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(10/12/15UP)