11月29日 福島瑞穂議員レクでの原子力安全・保安院の回答に基づく
要望書

米国のANSI/ANSの基準では不合格になるものを保安院は合格にしていた
関西電力が依拠した別の規格はなく、根拠も示せないままに合格にしていた

保安院が福島瑞穂議員に提出すると約束した資料が出てから、
県としても高浜3・4号機使用済燃料ピット臨界評価について検討してください
それまでは、MOX燃料の装荷を認めないでください

   
福井県知事 西川一誠 様
2010年11月30日
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

 11月29日、午後6時から7時過ぎまで、福島瑞穂参議院議員事務所にて、高浜3・4号機の使用済燃料貯蔵ピットの臨界安全性の問題に関する、原子力・安全保安院からの議員レクの場に私たちも同席し説明を受けました。
 保安院からは、審査課の蔦澤雄二課長補佐と中島吉崇審査官が出席されました。11月26日付で提出していた保安院宛の質問書の回答を受ける形で進められました。
 議論の中で保安院は、米国原子力学会のANSI/ANS 57.2の規格に従い、関西電力が示している数値を使えば、数値としては評価値が基準値を上回ることになるのは間違いとは言えないと認めました。しかし、米国の規格をそのまま使用したのではなく、「参考」としただけであり、米国の規格とは異なる理論を用いて関西電力は計算している。関西電力が根拠とした別の規格があるというわけではないと説明しました。

 結局、以下のことが明らかになりました。
高浜3・4号機のピットの臨界安全性について、米国のANSI/ANSの規格を適用すれば不合格になるものを、保安院は合格とした。
関西電力の方式の根拠となるような別の規格は存在せず、その根拠も示すことができないままに保安院は合格にしていた。

 そのため、福島議員は「このままでは納得できません。米国の規格の一部を使っただけで、従ったものではない。どのような根拠に基づいているのか分からない。立証責任は保安院にある。」と述べられ、関西電力の臨界評価の根拠を示す詳細な資料(統計的理論、元にした規格等)を示す詳細な資料を提出するよう求められました。
●これを受けて、保安院はその資料を議員に提出することを約束しました。

要望事項

1. 関西電力の臨界評価に関する資料が原子力安全・保安院から提出され、それを踏まえて、関西電力の評価並びに保安院の判断について、県としても検討してください。また、先日25日に約束された関西電力の回答と合わせ慎重に検討してください。
2. 原子力安全・保安院が判断の根拠とした資料と関西電力の回答について、県の安全専門委員会で検討してください。
3. 少なくともそれまでは、高浜3号機へのMOX燃料の装荷を認めないでください。

2010年11月30日
   グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
     京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
     大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(10/11/30UP)