関西電力が「死の商人」コジェマ社をMOX燃料契約先としたことに対する
抗   議   声   明



 本日、関西電力は、フランスのコジェマ社・メロックス工場とMOX燃料の加工に関する基本契約を結ぶと発表した。基本契約の後、夏頃を目処に本契約を結び、MOX燃料の製造を開始するという。

 私たちは、まず、コジェマ社を契約先に選んだことに対して、断固抗議する。
 コジェマ社は、フランス核兵器産業の根幹をなす会社であり、核兵器の材料であるプルトニウムを提供し続けてきた。まさに「死の商人」である。
 また、2001年12月に関西電力は、当時コジェマ社のメロックス工場で製造していたMOX燃料の製造中止を突然発表した。関西電力は、その理由を何ら具体的に明らかにしていない。当時、フランス政府のプルトニウム持ち込み許可が出る前に製造を始めたのではないかという疑惑についても、関西電力は具体的な説明を一切拒否してきた。また60億円もの賠償金をコジェマ社に支払いつつ、自らの責任は一切ないと居直り続けている。関西電力とコジェマ社の関係は、このように既に暗い影を引きずっている。
 さらに、コジェマ社のMOX燃料の品質は極めて劣悪である。プルトニウム・スポットが多く存在し、あのBNFL社製MOX燃料より品質が劣る。まして、関西電力のプルサーマル計画は、海外でも経験のない危険な規模である。そこに、このようなMOX燃料が使われれば、事故につながる恐れは一層大きい。

 この間、関西電力と政府は一体となって、カネの力にものを言わせ、デタラメなプルサーマル宣伝だけを行い、福井県民と関西・全国の市民の反対の声を踏みにじり、MOX契約に奔走してきた。公開討論会の要求も退け、異常なまでの秘密主義で強引に進めてきた。

 プルサーマルは危険な原発を一層危険にする。まさに、人々の命にかかわる問題である。だからこそ、情報は全て公開されなければならない。関西電力に対し、コジェマ社との契約、監査等々に関する、一切の情報を公開するよう強く要求する。

 私たちは、福井県民、関西・全国の人々、海外の人々と連携し、コジェマ社との本契約を阻止するために、全力をあげることを表明する。

2004年3月26日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 
京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581