声  明

MOX燃料の本質的欠陥が改めて露呈−
関西電力はコジェマ社メロックス工場製造MOX燃料を破棄せよ
プルサーマルはこの際すべて断念すべきである


 11月7日付け電力時事通信によれば、関西電力がフランスのコジェマ社メロックス工場から輸入する予定のMOX燃料には品質管理上の問題があるため、原子力安全保安院が不許可にする可能性が高いという。その理由は、BNFL社のデータ不正事件を受けて経済産業省が昨年7月14日に新たに出した通達を満たしていないため、すなわち、第三者機関からの品質保証を得るなどの手続きを怠ったためだというのである。
 しかし、このような手続き上の問題が不許可の理由であるとは誰も信じないであろう。一度不正事件を起こした関西電力が敢えてそのような手続きを無視するとは考えられない。また、もし本当に単なる手続き上の問題であるなら、経済産業省自身の指導責任も厳しく問われることになるであろう。
 実はそうではなく、本当は、メロックス工場のMOX燃料に、重大な技術的欠陥があるからではないかと推察される。それは、酸化ウランと酸化プルトニウムを均一に混ぜることに関する本質的な欠陥である。もし、このようなMOX燃料が原子炉に装荷されれば、重大事故につながるほどの重要な欠陥である。今回の電力時事通信の記事は、まさにMOX燃料に固有のこの技術的欠陥が、メロックス工場ミマス方式のMOX燃料に存在することを強く示唆している。
 もしこのような推察が間違いであるというのなら、関西電力は、メロックス工場のMOX燃料に関する検査結果、とりわけプルトニウムスポットに関する検査方法と精度、検査結果をすべて公開すべきである。この情報が公表されない限り、MOX燃料に関する上記の疑いを拭い去ることはけっしてできない。
 どの製造会社であろうと、MOX燃料の製造と検査には、ウラン燃料にない本質的な困難が存在すると、私たちはかねてから強く主張してきた。今回の電力時事通信の記事は、この指摘がやはり正しいことを改めて証明している。このようなMOX燃料を無理に装荷すれば、人々を危険にさらすことになるのは明白である。プルサーマル計画はすべて、この際はっきりと断念すべきである。 

2001年11月9日
グリーン・アクション(代表:アイリーン・美緒子・スミス)
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