運動は攻勢に転じている
プルサーマル実施策動を最後的にうち砕こう



 刈羽村で行われたハガキによる住民意向調査の結果は、住民投票の結果を守れという圧倒的多数の村民の意思を示した。有権者の半数以上の2209枚のハガキが回収された。その内80%に達する、1769名の圧倒的多数の村民が、「住民投票の結果を尊重すべき」と回答した。「尊重しなくてよい」は、わずか406名、18%である。
 全有権者の半数以上の人々が、自ら郵便ポストへ足を運びハガキを投函した。寄せられたハガキには、「対話集会は住民投票条例に違反する行為だ」「住民投票結果が出ており、村長も議会もプルサーマルについて判断する権限はない」等々、多くの意見が添えられている。やっとの思いで実現した昨年の住民投票で、村民はプルサーマル反対の明確な意志を表明した。この住民投票の結果を覆し、村民の意思を踏みにじろうとする村長への強い抗議の声である。アンケート調査結果は、昨年に続き、再び、刈羽村の村民の意思を明確にした。
 柏崎刈羽3号炉ではシュラウドがひび割れていた。目視可能な範囲だけでも、ひび割れは全周にわたり、19カ所で、合計1メートルに達している。東電は、これまでのシュラウドひび割れと同様「応力腐食割れが原因」と早々と発表している。しかし柏崎刈羽3号炉は、ひび割れ防止対策として腐食に強い材料(SUS316)を使用していた。なのに運転開始からわずか9年でひび割れが発生した。これまで同様では済まされない。
 地元首長・東電・国が三位一体となって押し進めてきた、今夏にMOX燃料を装荷しようという目論見は崖っぷちまで追いやられた。村長が対話集会を開き「民意は変わった」と「判断し」、村長・柏崎市長・新潟県知事による三者会談でプルサーマル受け入れを表明するというのが当初のシナリオだった。しかしこのシナリオは、まさに崩壊の過程にある。村民ハガキ調査によって、圧倒的多数の村民が「民意は変わっていない」ことを村長に突きつけたからだ。9月初めと言われていた三者会談は、開催のめどすらたっていない。シュラウドひび割れは、首長・東電・国の推進策動に重い足かせとなっている。
 今日は柏崎市で「やめようプルサーマル市民集会」が開催される。明日は「対話集会」の最終日。地元ではシュラウドひび割れについて東電交渉が続けられている。「刈羽村生命を守る女性の会」は、村長に対し要望書を提出し、事前了解願いを撤回し、全村民を対象にした対話集会の報告会を開くよう要求している。
 運動は攻勢に転じている。地元の運動と固く連帯し、プルサーマル実施策動を最後的にうち砕こう。反プルの勝利を打ち固めよう。

2002.8.28
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会



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