2002年5月27日
関電はMOX燃料返還輸送スケジュールを最優先して、
「容器承認」を取得せず「無許可輸送」を強行しようとしている



抗 議 と 質 問 書


関西電力株式会社 御中

 貴社は5月24日、返還用MOX燃料輸送容器について、国土交通省から設計変更承認を受領し、同時に放射性輸送物安全確認申請を提出したと発表した。貴社は、4月16日に設計変更承認申請を出すときに、3月18日に国交省から受け取っていた「容器承認」を「返納」した。そのため貴社は現在、輸送容器の「容器承認」を取得していない。にもかかわらず、実際にMOX燃料を積み込んだ後で最終的に行われる「安全確認申請」を提出した。
 通常の輸送手続きは、輸送容器の「設計承認」、「容器承認」、「安全確認」の順で行われる。「容器承認」を取得せず、一挙に最終的な「安全確認」を求めるという貴社のこの行為は、6月中〜下旬に予定している返還輸送のスケジュールを最優先としたものである。さらに「容器承認」を取得しない「無許可輸送」にも匹敵するものであり、許すことはできない。

貴社が「容器承認」を取得せずに「安全確認申請」を出した事に関する質問
1.貴社はなぜ「容器承認」を取得せずに「安全確認申請」を出したのか。    「容器承認」申請を行えば時間がかかり、輸送を延期する事になるからか。(ちなみに前回の「容器承認」は2002年1月21日に申請し、許可が出たのは3月18日であり、約2ヶ月かかっている。他方輸送船は6月中旬にも高浜原発に到着する予定と報道されている。)
  ↓
当社は輸送容器の検査、放射性輸送物の検査ともに、高浜発電所に到着してから事前検査として実施いただくこととし、輸送容器に関する検査と放射性輸送物としての検査をあわせて実施していただくよう申請することとしたものである。このような手続きは危険物船舶運送及び貯蔵規則第91条の9(の1項)にのっとった手続きであり、制度上問題はありません。

2.今回の判断は、貴社独自の判断か。国土交通省の判断によるものか。
  ↓
承認申請していない容器を使用して輸送物安全確認を行うことについて、規則上問題ないか問い合わせた所、問題ないとの見解を国土交通省のほうからいただいている。

3.今回の判断の合法性を裏付ける根拠となる法令等を示すこと。
  ↓
危険物船舶運送及び貯蔵規則第91条の9の1項。


グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之



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