MOX燃料加工契約に関する関西電力への公開質問書


関西電力社長 藤 洋作 様

 貴社は、海外加工メーカーと今年度中にMOX加工契約を結ぶことを目標にして、その進め方について国や福井県などに説明しています。
 その内容について以下の質問を行いますので、速やかに文書で回答されるよう要請します。

1.2月10日の原子力委員会における桑原原子力事業本部副事業本部長の説明について
 2月10日の原子力委員会において、貴社の桑原氏は資料1「海外MOX燃料調達に関する品質保証活動の改善について」に基づいて説明し、それに対して町原子力委員が、「資料1の21ページの『今後の進め方』の中の『海外加工メーカーの品質保証体制の確認』はもっと早い時点で実施するべきではないか」と糺しています。
 それに対して桑原氏は次のように答えています。「3点目の『海外加工メーカーの品質保証体制の確認』は、加工契約の前に実施すべきものであり、関西電力としては現在、候補となる加工メーカーが当社の要求を満たす能力があるかを調査しているところであり、必要な確認ができた後、加工契約をする。資料1の21ページの『今後の進め方』で、加工契約後に『海外加工メーカーの品質保証体制の確認』となっているのは、契約することにより加工メーカーがさらに情報を開示し、詳細なマニュアル類を作成するなど、さらなる確認が可能になる部分があるためであり、当社から必要な是正措置を要求し、それが反映されたことを確認してから、次のステップである製造に進む」。
 この桑原氏の説明で、「『海外加工メーカーの品質保証体制の確認』は、加工契約の前に実施すべきものであり」という部分は、町委員の指摘に直接答えた内容だと思われます。ところが、後ではこれは事実上否定されていて、資料1の21ページの図のとおり、「加工契約後に『海外加工メーカーの品質保証体制の確認』となっている」ことが説明されています。

質問1.現在の貴社の基本的な立場は、資料1の21ページの図に書かれているとおりで、契約は一度だけしか予定されていないのですか。すなわち、加工契約の前にある程度の調査をするとしても、「海外加工メーカーの品質保証体制の確認」は加工契約の後にくるということ、その確認の後に「次のステップである製造に進む」までの間には、何らかの別の契約は予定されていないということでよろしいですか。

2.福井県の理解との食い違いについて
 このMOX加工契約問題について、福井県原子力安全対策課の寺川参事は、2月20日の私たちとの会見において、次のような趣旨を明確に述べています。
 前記資料1の19ページに書かれている「契約」について、「我々が聞いているのは、この契約はあくまでも基本的な契約である。実際に製造する契約はここの時点ではしないと聞いています」。「輸入燃料体検査申請を出す前に、出した後か、どっちかちょっと分かりませんが、そこで実際の製造をするという契約になるというふうに我々は聞いています」。
 このように、寺川参事が関電から聞いた結果によると、契約には2種類あります。すなわち、前にする「基本契約または仮契約」と、後の輸入燃料体検査申請の頃に交わす「製造契約または本契約」だということです。彼の理解を前記資料1の21ページの図に当てはめれば、基本契約または仮契約は「加工契約」の位置にきて、製造契約または本契約は「海外加工メーカーの品質保証体制の確認」の後にくることになります。

質問2.福井県の寺川参事は貴社からのヒアリングの結果として上記のような理解を明確に述べていますが、このような2段階の契約という考えは、貴社の原子力委員会での説明には登場していません。貴社は国と福井県とに違う説明をしているのですか。どちらが貴社の見解なのですか。


2004年2月26日 

脱原発ネットワーク福井 田代牧夫
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