6月4日関電交渉 速報
設備の許可は出ている。法令等も遵守している。
しかしプルトニウム持ち込み許可を得ていたかは答えられず



フランス政府のプルトニウム持ち込み許可は?
関電 「許可の日時も内容も答える立場にない」
東電 「2000年4月18日です。それ以前にはプルトニウムは持ち込めない」



 6月4日午後5時から8時まで、関西電力との交渉を行いました。参加者は、関電からはいつもの広報課長3名、市民側は12名。フランス政府のプルトニウム持ち込み許可が出る前に、関電がコジェマ社のメロックス工場で違法にMOX燃料を製造したのではないかという疑惑について追及しました。
 東京電力は、5月29日の市民との交渉の場で、「プルトニウム持ち込み許可は2000年4月18日。それ以前にはプルトニウムは持ち込めない」=MOX燃料は作れないことをはっきり述べています。関電がMOX燃料の製造を開始したのは、1999年11月です。関電が違法行為を犯していた疑惑は、東電の発言と、何も答えられない関電との対比でほぼ確実となってきました。関電は、「許可を得た設備」「法令等を遵守している」を繰り返すばかりです。参加者全員は、怒りでブーイングの連続でした。

■この問題に関する質問と回答はこうです。
[質問]
1.フランス政府がメロックスの新施設を許可したのは、1999年7月30日ですか。また、その許可の内容はどのようなものですか。
2.フランス政府がメロックスの新施設・設備にプルトニウム持ち込みを許可したのは
2000年4月18日ですか。
3.貴社のMOX燃料は1999年11月3日から製造が開始されています。これは上記
プルトニウム持ち込み許可の前であり、違法な製造ではないのですか。
[回答]
1から3をあわせて
「コモックスからは、当局から許可を得た設備を使用して燃料を製造しており、つねに法令等を厳守しているとの回答を得ている。許可の詳細については、当社としてはお答えする立場にないと考えております。」

■「プルトニウム持ち込み許可は出ていたのか?」
  ↓
・「いやいや。法令等を遵守しています」
・「許可を得た設備でつくっています」
・「合法的に製造されていることを確認している」と一般論を繰り返すばかりです。

■「許可の日付も内容も関電として答える立場にない」「我々の判断として、許可の日付を知っているかどうかも答える立場にない」と述べ、答えないのは、コモックスからの要求ではなく、関電の判断として答えないと言います。東電ははっきり答えているのにです。

■「問題にしているのは『設備の許可』でも『法令』でもない。プルトニウム持ち込み許可を得ていたのかどうかだ」
  ↓
・「いずれにしても法令等を遵守している」「グロスとして理解いただきたい」「常に法令等を・・・」

■「設備の許可とは何か」
  ↓
・「いろいろあるんだと思いますが、許可を得た設備です」「何の許可かは今は持っていない。当社としてはお答えできない」

■「法令等の『等』の中身は何か。プルトニウム持ち込み許可は含まれているのか」
  ↓
・「それについてはお答えできない」「私達はきっちりやっています」
・「どういう許可があるのかはあれですけど、法令等を遵守している」
・「イエスかノーかはお答えできません。法令等を遵守している」「答える立場にない」
・挙げ句の果てには「許可の日時や内容は、ぶっちゃけた話、フランス政府に聞いたらいい」などと居直っりました。

■関電が一切答えないために、今度は「一般論として、MOX燃料を製造するために、プルトニウム持ち込み許可はいるか」とたずねると
  ↓
長い沈黙が続きました。そして、やっと小さな声で「答えを持ち合わせておりません」と言うのが精一杯なのです。

■「そんなに合法的につくったと言うのであれば、仏EDF用の旧施設でつくったのか」
  ↓
「コメントしません」「どの施設でつくったかは答えられません」
やはり旧施設でつくったとは言えないようです。 

■「東電のことは知らない」といきり立つ関電
東電は2000年4月18日以前にはプルトニウムは持ち込めないとはっきり述べていると追及すると、「この場は関電と美浜の会、グリーン・アクションとの面談の場だ。その中で東電がどう言ったこう言ったと言われても、我々はその詳細は知らない訳ですから」とやけにいきり立ってっていました。東電の発言内容がよほど腹立たしかったのでしょうか。

■結局、関電は、プルトニウム持ち込み許可が出ていた施設で製造したとは答えることができませんでした。「コモックス社が合法的に製造したと言っているのだからそれでいい」という関電の姿勢は、「BNFLがデータねつ造はないと言っているからないんだ」という2年半前の姿勢と全く同じものでした。

■関電が97年上期から98年上期にかけて行った製造前の確認試験では、@実際にMOX粉末を使って試験を行ったこと、Aその目的は、「要求された仕様を満足するMOX燃料を製造する能力を有しているかを確認するため」であると述べました。この「要求された仕様」とは、関電仕様=関電用のプルトニウム富化度等と同じ仕様を指すのかと追及しましたが、それには答えず、「製造能力を見るだけですから」と強調していました。



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