2002年2月26日の交渉に関する質問書


関西電力株式会社 御中

1.原子力発電技術機構の試験用に提供したペレットについて

@ 試験用に提供したペレットを抜き取ったのは、「ペレットができた段階」とのことですが、それは1999年12月ということですか。

A コジェマ社で製造したペレットは32体分なのですか。

B (財)原子力発電技術機構にペレットを提供した日時はいつですか。

C 技術機構「報告書※1」には、試験対象燃料はMOX燃料集合体2体だと書かれ、ペレットを抜き取った場所が集合体上の位置として図示されています(図4.2.1-2)。集合体ができる前のロットから抜き取ったにもかかわらず、なぜ集合体上での位置が特定されるのですか、その理由を説明してください。


2.化学エッチング法について

@ 化学エッチング法では、「プルトニウム・スポットが浮かび上がる」とのことですが、何%以上の濃度の領域がプルトニウム・スポットとして浮かび上がるのですか。

A 技術機構の「報告書※1」には「大きなプルトニウム・スポットには、プルトニウム濃度10%程度の領域がプルトニウム・スポットを取り囲むように存在することがわかる」(同「報告書」52〜53頁)との記述があります。化学エッチング法は、このプルトニウム濃度10%程度の領域を確認することができるのですか。

B プルトニウム・スポットの検査精度が適正なものであるかどうかについて、コジェマ社メロックス工場の内部レポートだけから判断したのですか。そうでないならば、他にどのようなもので判断したのか具体的に明らかにしてください。

C 原子力安全委員会のいわゆるプルサーマル指針※2では、プルトニウム・スポットとは「プルトニウム含有率が局所的に高い領域」だとされています。化学エッチング法では、プルトニウム濃度は分からないとのことですが、それではどのようにプルトニウム・スポットを判断するのか、説明してください。


3.関電MOX燃料が製造されたライン等について

@ 「1999年にメロックス工場で施設が追加されていることは確認している」とのことですが、関電MOX燃料の燃料棒の封入、溶接、溶接検査は、その追加された新しい施設で行ったのですか。

A コジェマ社の文書※3によれば、メロックス工場には、EDF用のMOX燃料を製造する、既存の製造ラインと、PWR・BWR用の様々なタイプのMOX燃料を製造する新マルチ−デザイン・ラインがあります。関電用MOX燃料は、既存の製造ラインか、新マルチ−デザイン・ラインのどちらで作ったのですか。

B どの施設等でMOX燃料を作ったのかを明らかにできないというのは、契約上明示された守秘義務なのですか。

C 新しい施設か、元々のメインの施設かどちらで作ったのかという単なる事実確認の問題が、なぜ守秘義務になるのですか。この事実が明らかになることでどのような不利益が生じるのですか。

D 新しい施設か、既存の施設か、どちらで関電用MOX燃料の製造が行われたかを関西電力自身は知っているのですか。また、既存の製造ラインか、新マルチ−デザイン・ラインのどちらで作られたのか、関西電力自身は知っているのですか。

E 製造された施設やラインについて、コモックスへどういう問い合わせをしたのですか。問い合わせの内容と、回答を明らかにしてください。

F 国に対して、メロックス工場のどの施設、どのラインで製造したのか、報告していますか。また、原子燃料工業がどの施設、どのラインを事前監査したのかについて、国に報告していますか。報告している場合、それはいつですか。

G ベルゴニュークレール社のセミナー資料※4によれば、通産省(当時)が同社を監査したこと[資料7-15]、および1998年11月16日〜18日に同社を訪問していることが記載されています[資料7-17]。貴社のMOX燃料を製造したメロックス工場に対して、国の監査はあったのですか。監査があった場合は、その日付と内容を明らかにしてください。

H ベルゴニュークレール社は工場の敷地内建屋の配置図と主な生産ステップがどの建屋で行われているかを公開しています[添付:セミナー資料8-6, 8-7]。メロックス工場も同じコモックス社ですので、資料公開は当然できるものと考えます。メロックス工場に関する同様の資料を公開してください。

I 関電のMOX燃料集合体を組み立てた機械がメロックス工場に納入されたのはいつですか。また、それはメロックス工場のどの建物に設置されたのですか。

J メロックス工場における事前監査の日程と内容をすべて明らかにしてください(資格審査ー書類審査、システム審査、工程審査、製品審査等について)。

K 関電用のMOX燃料集合体の品質管理およびMOX品質システムの承認と認証が行われたのはいつですか。尚、ベルゴニュークレール社は添付資料のとおり公開しています。[添付:セミナー資料7-11、同4-19]。



※1:「平成12年度 燃料集合体信頼性実証試験に関する報告書(1/3炉心混合酸化物燃料照射試験編)」 平成13年3月 (財)原子力発電技術機構
※2:「発電用軽水炉型原子炉施設に用いられる混合酸化物燃料について」 平成7年5月 原子炉安全基準専門部会
※3:"MELOX WEST FITTING BUILDING: A MAJOR CONTRIBUTION TO ENHANCED FLEXIBILITY" RECOD'98 Fifth International Conference on Recycling, Conditioning and Disposal October 25-28, 1998 COGEMA/SGN/MELOX
※4ベルゴニュークレール社 東京セミナー プレゼンテーション資料集 平成12年11月21日 於都市センターホテル



                 2002年3月5日
                  グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 
                        TEL 075−701−7223 FAX 075−702−1952
                  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
                        TEL 06−6367−6580 FAX 06−6367−6581



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