関電は高浜4号プルサーマル用のMOX燃料の陸揚げを10月1日に強行し、あくまでも11月中に装荷しようとしている。しかし他方、東海村事故を受けて、プルサーマルを危惧する声は大きく高まっている。高浜3号用では、燃料データの不正が明らかになった。いまの焦点は、高浜4号用にもやはり、データの偽造・ねつ造があるのではという点にある。以下で公表データから、この偽造疑惑を明るみに出そう。
 下図のように、酸化ウランと酸化プルトニウムを混ぜた粉末原料の1オケ分を1ロットと呼び、それから燃料ペレットが約3000個つくられる。このペレットの外径の仕様範囲は8.179〜8.204mmと定められており、それをはずれると被覆管を痛めたり燃料が破裂するなどの危険が生じる。危険なプルサーマルが一層危険になる。


■ ペレットの外径検査は2度にわたって行われる

◇第1回:ペレット全数を自動測定・自動記録−−ここには不正の入る余地なし。
◇第2回:関電に対する品質保証のため、1ロット当たり200個のペレットを抜き     取り、検査員が測定、記録−−ここで不正が入り込む。


■第1回全数検査と第2回抜取検査の外径分布グラフ

 人の身長に差があるように、ペレット外径にも差があり、例えばP824ロットの場合、第1図のような分布をなす。第1回の全数(約3750個)の外径分布は実線グラフで表わされ、例えば8.196mmの外径をもつペレットは全体の約8%あると読みとれる。抜取検査200個分についての分布は破線グラフで示されている。

■不正のあるなしに関する判断基準

 関電の中間報告によれば、第2回目の方が第1回目より、測定ペレット外径が0.002mm前後程度「膨張」しているという事実がある。そうすると、第2回目の抜取分布は第1回目の全数分布を0.002mm程度右にシフトさせたグラフになるはずである(実際は統計的揺らぎのためすこし揺らいだ形になるのが自然)。しかしもし基本的に違った形になれば、人為的要素すなわち不正が働いたと見なすことができる。


■P824ロットでは、P823から66データを模写した

 図1を見れば、P824抜取分布は2つの山をもち、親の全数分布とは構造的に違う形をしている(統計的に有意な差がある)。それもそのはず、200個のうち66個のデータをP823からそっくり模写したからである。その証拠は図2で示されている。図2では、P823抜取データから模写したらしいP824の66データだけの分布を、P823抜取分布と比較している。何と両者はよく似ているではないか。




■P753ロットで、仕様外数値を仕様内に書き換えた疑い

 第3図の点線グラフは、実線の全数分布を0.002mm右にシフトさせたもので、抜取グラフ(破線)とは、山を少し越えた付近まで実によく一致している。ところが抜取では、仕様上限の手前に第2のシャープな山。この異常な山はなぜできたのだろうか?
 抜取分布は本来なら基本的に点線グラフの形になるべきであるが、そこには仕様外が200個中約6個現れている。その上、実抜取の破線グラフには8.207mmが2個あるので、恐らく8個程度が仕様外になったと予想される。これでは、仕様外は5個以内という規定により、このロットのペレットはすべて捨てなければならないが、これでは商売にならない。そこで仕様外の数値を少し下げて仕様内の数値に変えたのであろう。すると見事に、仕様上限の手前にシャープな山が現れる。BNFLでもJCOと同様の経済的思惑が働いたのであろう。


■疑惑の燃料は高浜4号に装荷するな

 ペレット外径データについては他にも、同じ数値が6個も連なるなど不自然な場合がある。また、プルトニウムスポットや富化度なども含めた検査全体がきわめてずさんであることも指摘できる。
 ところが関電は、公的な場で釈明することを避け逃げまわっている。このまま疑惑のMOX燃料を装荷すれば、次は高浜が「東海村」になる。装荷は絶対にやめるべきである。


トップ