要   望   書
◆国は東電が原子炉等規制法の解釈をねじ曲げていることを認めました
◆国はこの解釈について8月6日午前中に東電に確認するとしています
◆使用済燃料プールのコンクリートの高経年化技術評価は実施されていません

これらの事実を県として独自に確認し、慎重に検討してください
少なくともそれまでは
福島第一原発3号機へのMOX燃料装荷を認めないでください

 
福島県知事 佐藤 雄平 様
2010年8月5日

 福島県原子力発電所安全確保技術連絡会は4日、福島第一原発3号機のプルサーマル受け入れの3条件について、国と東電の報告書に問題点は確認されなかったという結論を出し、貴職が、6日にも福島第一原発3号機のプルサーマルに同意するという報道がなされています。
しかし、8月3日に行われた市民と国との使用済MOX燃料をめぐる交渉では、プルサーマルを開始する条件は全くないことが明らかになりました。私たちは、貴職に対し、少なくとも以下の2点について、国及び東電の見解を県として独自に確認し、慎重に検討されるまで、プルサーマル開始に同意しないことを求めます。

(1)使用済MOX燃料の「処分の方法」に関する東電の法解釈が間違っていることが明確になりました
 3日の交渉の場で、国は使用済燃料の「貯蔵・管理」については、原子炉等規制法第23条第2項に定めた「処分の方法」にはあたらないと明確に答えました。一方、東電は市民との交渉の場で、「貯蔵・管理」が「処分の方法」にあたるとしました。3日の交渉で、東電が原子炉等規制法をねじ曲げて解釈していたことが明確になりました。国は東電の解釈が誤っていることを認め、5日までに東電に確認することを約束しました。しかし、私達との約束をやぶり、国は6日午前中に東電と会って確認すると言っています。貴職は6日午前にプルサーマルに同意すると報道されていますが、判断をストップし、国と東電とのやりとりの内容を確認し、慎重に検討すべきです。このことを曖昧にしたままプルサーマルを開始すれば、使用済MOX燃料のプール内での「貯蔵・管理」が「処分」とされ、永久に福島に留め置かれることになりかねません。

(2)国は、使用済燃料プールの老朽化についてコンクリートに対する評価を行っていないことを認めました
 3日の交渉の場で国は、使用済燃料プールのコンクリートについて、高経年化技術評価では評価していないことを認めました。高経年化対策は、貴職がプルサーマルを受け入れる条件の一つでしたが、受け入れる条件は満たされていないのです。老朽化対策が行われていない状態で、使用済MOX燃料が長期にわたり福島に留め置かれれば、米国で起きているようにプール汚染水の漏えいが起こり、環境汚染を引き起こしかねません。

要  望  事  項

1.使用済MOX燃料の「貯蔵・管理」が「処分の方法」に当たるという東電のねじ曲げた法解釈について、8月6日午前中の国と東電とのやり取りの内容を確認してください。ねじ曲げた法解釈を撤回するよう求めてください。国に対して、東電を指導したのか確認してください。

2.国及び東電に対して、使用済燃料プールのコンクリートの高経年化技術評価を実施するよう求めてください。使用済燃料プールでの使用済MOX燃料の超長期貯蔵の安全性をどう確保するのか、確認してください。

3.少なくとも、以上のことに関して、国及び東電の見解を確認し、県として慎重に検討されるまで、福島第一原発3号機へのMOX燃料装荷を認めないでください。

2010年8月5日

  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
     大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階
     TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(10/08/05UP)