要   望   書
使用済MOX燃料の諸問題について、以下を慎重に検討してください
・使用済MOX燃料の原発プールでの超長期保管の安全性は確認されているのか
・米国で起きているプール水漏えいによる環境汚染は起きないのか
少なくともそれまでは、高浜3号機へのMOX装荷を認めないでください

 
福井県知事 西川一誠 様
2010年8月6日

 6月30日にフランスから高浜原発にMOX燃料が到着しました。関西電力は、10月の定期点検で高浜3号機にMOX燃料を装荷し、年末にはプルサーマルを開始しようとしています。
 しかし、プルサーマルによって生み出される使用済MOX燃料の諸問題は何も解決されていません。7月28日に大阪の関電本店で行った私達との交渉でも、また、8月3日に全国の794団体で提出した質問・要請書をもとに、参議院議員会館で行った国との交渉でも次のような点が明らかになりました。
  ・使用済MOX問題の処理の方策は未だ何も決まっていない。
  ・原発プールのコンクリートは、高経年化技術評価では評価されていない。
  ・プール漏えいを確認する検知溝等は、定検で検査していない。
 そして保安院は最後に、「プルサーマル開始と、使用済MOXの処分の問題は別問題」と発言し、核のゴミ問題の目処が立たなくてもプルサーマルを開始すると、無責任にも発言しました。このような国の姿勢のもとで、MOX燃料の装荷を許していいのでしょうか。

 他方、米国では、原発の老朽化に伴い、使用済燃料プールや地下埋設配管から汚染水が漏れだし、地域の環境が放射能で汚染され大きな社会的問題となっています。今回、米国の著名な反原発団体Beyond Nuclearのケビン・キャンプス氏が来日され、各地の講演会で、日本では知られていない米国の状況を紹介されています。貴職にも直接会って米国の状況を伝えたいと、本日、参加されています。

 私達は、6月25日に高浜町長と面談し、使用済MOX燃料の諸問題と米国の状況を伝えました。町長は、米国と同じようなプール水漏えいが起きないかどうかを憂慮され、直接国に問い合わせされました。その結果、国からは「委員会や調査グループを作って、米国の状況等について調査していく」との回答があったとのことでした。しかし、3日の国との交渉では、保安院の回答は「特別なチームではなく、既存の保安院内部の非公開の検討会で情報を集めている」というだけでした。これでは、高浜町を含め、多くの人々の不安に応えることはできません。

 そのため、以下を強く要望します。

要  望  事  項

1.原発が老朽化していく中で、使用済MOX燃料の原発プールでの超長期保管に関して安全性は確保されているのか、また、米国のようなプール水漏えいが起きることはないのかについて、国に直接確認してください。
  国がこの問題の情報を広く公開するよう要請してください。

2.県の原子力安全専門委員会等で慎重に検討してください。

3.国に確認した内容を公開し、検討内容を広く県民等に説明してください。

4.少なくともそれまでは、MOX燃料の装荷を認めないでください。


 2010年8月6日

   原発設置反対小浜市民の会 代表:岩本敏行
      小浜郵便局私書箱第3号 TEL 0770-57-1355(中嶌方)

   グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
      京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
      大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(10/08/06UP)