MOX工場は運命を失っていることを政府の報告書が明かに


2001年7月27日 地球の友・プレスリリース



イギリス原子力の愚行
プルトニウム工場が数億ポンドの損失をだすと公式の報告書で確認


 地球の友の裁判提訴に続き、政府は今日は、カンブリア地方のセラフィールドMOX工場が数億ポンドの損失をだすことを事実上、確認した報告書を公表した。
 Arthur D Littleコンサルタント会社によって政府に準備された報告書は、工場の「実際の利益(net present value)」のみの総計を約2億ポンドと見積もっている。しかし、工場の所有者BNFLは、すでに建設とその他の費用で4億6000万ポンド使っている。それゆえ、実際の損失は約2億6000万ポンドになる。
 工場は、政府所有のBNFLが4年前に建設した。しかし、操業許可は受注が少ないために、棚上げになっている。BNFLは政府に、工場が放射線防護法の下で正当であるかどうか検討する際、建設費を無視するよう頼んでいた。
 マイケル・ミーチャー環境大臣は、BNFLの顧客から信用を壊した昨年のデータねつ造安全スキャンダル後、4月に新たな研究を委託した。スキャンダルの結果として、地球の友は、日本からの正式な注文はまだないと理解している。日本は、潜在的にMOXの最大の顧客国である。
 地球の友の核活動家マーク・ジョンストンは次のようにコメントした。
 「今日の報告書は、プルトニウム工場が数億ポンドの損失を出すことを確認している。我々は、政府が工場に許可を出すこととは違法であり、最初の時点ですでに建設されていることはスキャンダルであると考えている。内閣はBNFLの申請を却下するか、もしくは、さらなる裁判を覚悟しなければならない。なぜBNFLへの政府の監督がひどく失敗したのかについての独自の調査が必要である。
 長寿命放射性廃棄物とりわけプルトニウムの遺産の処理方法についても議論しなければならない。政府は、より安全でより安い選択肢を探求せずに、プルトニウム廃棄物処理について危険で高価なプロセスを早まるだろう。」



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