リーフレット


「植木鉢型ペレットでも合格品・安全?!」
ウソと不正なしにはMOX燃料は造れない!
プルサーマルはもうやめて
 関電は、昨年12月16日に、高浜4号MOX燃料ペレットのデータねつ造を認めました。私達市民はその燃料を使用するなと大阪地裁に訴えていました。その判決がでるまさに前日に、使用しないことを決定したのです。
 その後も、データねつ造を行っていたイギリスの核燃料会社(BNFL)の不正や安全無視が次々と発覚しています。ドイツやスイスのMOX燃料でもデータねつ造を行っていたのです。
 関電・政府は、データねつ造があっても、「全数検査で安全性は確認されている」と言ってきました。しかし、それも完全に破綻しました。円筒型をしているはずのペレットが、なんと植木鉢型だったのです。それを合格品とするために、都合のよい測定方法に変更していました。
 ウソと不正なしにはMOX燃料は造れないことがはっきりしました。危険なMOX燃料を使うプルサーマル計画を破棄するよう、政府・電力会社に求めましょう。
★高浜3・4号のペレットは植木鉢型だった
 イギリスのBNFLが製造した高浜3・4号用MOX燃料ペレットは、本来の円筒型ではなく、なんと植木鉢型だったことが明らかになりました。

 @「全数検査でパスしているから安全」は全くのウソだった
  MOX燃料ペレット直径データのねつ造は、品質保証の抜取検査で行われていました。しかし、関電・BNFL・通産省・イギリス検査局(NII)は口をそろえて、「全数自動検査で合格しているのだから、燃料は安全」と言ってきました。ところが、ペレットは植木鉢型をしており、厳密に決められている仕様値を越えていました。そのまま使用すれば事故の危険性が・・・。

 A測定方法を変えて、合格品に
 ペレットを作り直していたのでは時間が間に合わないし、金もかかってしまう。そこで、BNFLはわざと測り方を変えて、不合格品がでないようにしました。そのやり口はこうです。長さ13oの円筒型のペレットは、上・中・下の直径が測定されます。そのうち上・下の測定位置を中心からわずか2oの位置で測るように変更したのです。
 関電はこのことを昨年9月には知っており、合意していました。しかし、ひたすら隠したまま、「全数検査で仕様値を満たしているから安全」とウソを繰り返していたのです。
★ドイツでもMOX燃料データねつ造
 96年から使われていたドイツのMOX燃料でも、データがねつ造されていたことが2月に発覚しました。そのため、ドイツ政府と電力会社は、今年2月24日、ウンターベーザー原発の運転を停止し、その燃料を取り出しました。ドイツ政府は、BNFL社での安全性が確認されるまで、MOX燃料の輸入を禁止すると発表。さらに、現在中断している再処理の再開も遠のくとしています。
★スイスでは、放射能漏れ、データ紛失、データねつ造の疑い
 スイス用のMOX燃料では、放射能漏れ事故が起こり、97年に回収されていました。さらに、今年、スイスの検査官がBNFL社を調査し、コンピュータ・データが紛失していたことが発覚し、品質保証データにもねつ造の疑いが出てきています。
★イギリス国内のウラン燃料でも欠陥品
 燃料集合体の溶接部にひび割れがあったことが明らかになりました。そのまま使用すれば、燃料棒から放射能が漏れだし、深刻な事故にいたります。3月2日、英国検査局は、その燃料を差し押さえ、出荷を禁止しました。また、現在使用中のウラン燃料にひび割れがないと保証はできないとのことです。検査局の関係者は、「(BNFLは)何一つ正しいことをしていないように見える」とまで言っています。
★北欧諸国は、BNFLの再処理工場閉鎖・放射能垂れ流し禁止を要求
 2月に、北欧6ヶ国(スウェーデン、フィンランド、ノルウェイ、アイスランド、デンマーク、アイルランド)は、英国政府に対し、データねつ造問題について強い抗議を表明しました。アイルランドやアイスランド政府は、主要産業である漁業が破壊されるとして、セラフィールドの再処理工場の閉鎖を要求。他の4ヶ国も、アイリッシュ海への放射能垂れ流しをやめるよう要求しています。
 さらに、スウェーデン政府は、データねつ造発覚後、使用済み燃料5トンの新たな再処理委託を中止すると発表しました。
関電は全てを知っていながら隠し通していた
@関電は、ペレットが植木鉢型をしていたことも、上・下の測定位置をわざと変更していたことも知っていました。知っていながら隠して、「ペレットは全数測定しているから安全」と言い続けてきたのです。
A関電は、抜取検査のデータねつ造が発覚したため、社内に「調査委員会」を作り、3月1日に「中間報告書」を出しました。しかし、その中では植木鉢ペレット問題について全く触れていません。関電は、国に対して、プルサーマルを実施できなかったことは謝罪しても、住民にウソをつき、危険を押しつけようとしたことに対しては、決して謝ろうとはしていません。関電は、「再発防止策」をねって、今後もBNFLとの取引を続けようとしています。
B悪いのはBNFLの社員であるとして、関電は被害者であるかのように振る舞っています。しかし実態は、関電こそがBNFLの「よき理解者」であり、一緒になってウソをつき続けてきたのです。関電の責任は重大です。ウソと危険にまみれたプルサーマルはもうゴメンです。
通産省の「全数検査で安全」も破綻
 通産省は、昨年、英国検査局からデータねつ造の疑いがあるとの手紙を受け取っていながら、それを隠していました。さらに、「全数検査で仕様値を満たしているから安全」と言い続け、関電のプルサーマルにお墨付きを与えてきました。国が言ってきたことも全くデタラメでした。結局、日本では、MOX燃料の独立の検査は行われていないことがはっきりしました。
プルサーマルはもうやめて
 MOX燃料をめぐるウソと不正は、関電・BNFLだけの問題ではありません。東京電力は、ベルギーのベルゴニュークリア社で製造したMOX燃料に関し、市民の再三の要求にも関わらず資料すら公開していません。国が言ってきた「プルサーマルは安全」「全数検査で燃料は安全」もすべて破綻しました。その責任を追及し、連携して、プルサーマル計画を放棄させましょう。
 ウソと不正なしにはMOX燃料は造れないというのが、教訓です。
           効率化最優先のBNFL
BNFL社は、約500億円かけて新しいMOX燃料工場を完成させました。しかし、未だ許可は出ていません。新工場の最大の顧客が日本の電力会社なのです。日本の全ての電力会社がBNFLと再処理契約を結んできました。そこから出てくるプルトニウムは、この新工場でMOX燃料に加工されることが予定されています。日本のプルサーマル計画を破棄させて、新工場の稼働にストップをかけましょう。
 BNFLでデータねつ造や不正が組織的に行われている背景には、民営化に向けて、効率化を最優先させるという姿勢があります。社長の首がかわっても、その姿勢にはなんら変化はありません。
関電のMOXペレットには、 ねじやコンクリート片まで混入
    BNFLの社員が駐日英国大使館の原子力担当者     
 BNFLは、年間約9000万円を支払って、社員を大使館に送り込んでいます。原子力担当の参事官として日本政府や電力会社との交渉に当たっています。BNFLに都合のいい情報を英国に送り続けていたのです。以前はロンドンで広報局長でした。英国では、外交官としての解任が問題になっています。
各地の思いを込めて、脱原発百人署名に取り組もう



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