セラフィールド・リサイクルでBNFLが挫折


2001年6月22日 フィナンシャル・タイムス マシュー・ジョンズ



 BNFLによるセラフィールドの論争中の燃料リサイクル工場の運転開始計画は、昨日、政府が公開諮問をもう一度もたなければならないと認めたことで、新たな挫折にさらされた。政府のこの譲歩は、当初は総選挙後すぐになされると期待されていた最終決定が、2、3ヶ月延期されることを意味する。この動きは、「地球の友」による高等裁判所への訴訟に応じるものである。環境保護グループは、工場の経済性についての独自の報告書を発表しなかった内閣の問題を訴えている。
 核廃棄物が再処理されて発生するプルトニウムを使ってMOX燃料を製造する予定のこの工場は、1996年に大部分が完成しているが、環境食糧地方問題省の許可をいまだに待っている状態であり、経済性をまだ認められていない。
 また、「地球の友」は、計画の経済的利益を非常に「ねじまげた」工場につぎこまれた4億8200万ポンドの税金を帳消しにしている政府の決定を非難している。
 政府のために動く法務官が、昨日、Arthur D Littleコンサルタントの報告書を公表することに同意した。ただし、「BNFLの商業運転や工場そのものの経済的事実に不合理なダメージを与える情報」を除いてである。資料を検討し、さらにコメントするために4週間かかるだろう。BNFLは、決定が夏中旬以降に延期されれば、スイスの顧客と結んでいるMOX契約に影響すると警告している。
 「地球の友」の法律アドバイザー、ピーター・ロザリックは、閣僚が報告書を公開することに同意したことを「喜んだ」が、財務情報を除外したことには「驚いた」。BNFLの広報は、工場はすでに4つの公開諮問を通過しており、BNFLは政府の決定を「急いで」必要としていると述べた。BNFLは先月、ヨーロッパの顧客からセラフィールド工場が損をしないだけのMOX契約、または受注があったと述べていた。しかし、最大の市場と見られている日本は、1999年にBNFLが関わったデータねつ造スキャンダル後の、大衆の反対のために燃料使用を延期している。



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