BNFLは倒産の瀬戸際に立たされている
BNFL on the brink of bankruptcy


2001年10月21日 エレクトロニック・テレグラフ Mary Fagan



国有の原子力サービスグループであるBNFLが、340億ポンドに至ると予測されている原子力の放射能除去費用を支払うことが出来ないため、倒産の瀬戸際に立たされている。

何ヶ月もの間BNFLと財政状況について協議を行ってきた政府は、BNFLの長期の負債を補償することに同意しない限り、数週間のうちにこの会社の破産を言明せざるを得なくなるだろう。

BNFLは、政府に対し、BNFL、英国原子力エネルギー公社及び国防省が直面している原子力の放射能除去の莫大なコストについて再調査して補償し、基金を出す債務管理機構を設立するよう依頼している。

このコストは合計して約600億ポンドといわれている。ほぼ1年前英国原子力エネルギー公社から提案があった、債務管理機構を設立するか否かについての政府の結論は、来月末までに出されると予想されている。

BNFLは、老朽化した原子力発電所の廃炉(解体を含む?)や向こう100年以上に渡る放射性廃棄物の管理のため340億ポンドの負債を抱えている。この負債は、毎年マグノックス炉の閉鎖が増え、また環境と安全に関する基準が厳しいものとなるにつれ増加している。

この何ヶ月間か、英国原子力エネルギー社とBNFLは、負債の問題を解決するための援助を行うよう政府に圧力をかけていた。BNFLのバランスシートは、一連の引き下げのあとでは、将来の原子力の放射能除去にかかる莫大な費用を支払うために必要な総額のほんの一部にすぎない、2億5300万ポンドの株主基金があるだけという状態である。

西カンブリアのセラフィールドに基盤を持つBNFLは、廃棄物処理施設から現金を稼げる間は、施設を動かして従業員に支払いを行うことが出来るだろう。正式には破産しているにもかかわらず、BNFLは、30年はプラントの解体や廃棄物処理に対しての請求書の支払いをしなくともよいだろう。

しかし、Railtrack社の崩壊に引き続いてのBNFLの破産は、政府を大いに当惑させるだろう。政府は今に至っても、この原子力の会社の、49%の部門を2002年に売却した後に民営化することを望んでいると言明している。

グリーンピースは昨日、BNFLの財政状況は驚くべきことではないと表明した。核燃料の再処理に反対してきたこの環境キャンペーングループのスポークスマンは、自分たちはBNFLがいつかは深刻な財政難に見舞われるのではないかと考えていたと述べた。

「BNFLがこの状況を招いたのだ。再処理が愚行であることは環境団体やその他が強調してきたことだ。使用済み燃料を処理するのにより安全で低価格な選択肢がある。セラフィールドが白い象(無用の長物)であるという私たちの主張は、正真正銘の現実となった」と彼は述べた。

BNFLの負債の一部は、1971年に同社が設立された際に引き継がれたものである。1996年に民営化が許可されたブリティッシュ・エナジー社からBNFLが引き継がざるを得なくなった、老朽化したマグノックス炉に関連した負債もまた同様に莫大なものである。11あるマグノックス炉のうち、現在7基が運転中である。

BNFLはコメントを拒んでいるが、ヒュー・コラム社長がBNFLからマグノックス部門を切り離すことに熱心であることは知られている。同社は、1999年に起きた、日本向けのウラン・プルトニウム燃料のペレットのデータがねつ造されていたスキャンダルの失地を挽回すべく格闘しているところである。

先月、BNFLは、政府から、4億7千万ポンドの費用がかかるセラフィールドの新しい混合酸化燃料施設の許可という支援を受け取った。

このことがなければ、BNFLは、セラフィールド再処理施設全体の将来が脅威にさらされていると言明していただろうに。



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