アイルランドは原子力論争で支持を求める
Irish seek support over nuclear row


7月5日 BBCニュース



 アイルランド政府は、核廃棄物を積んだ2隻の船がアイリッシュ海を通過するのを阻止するため、国際的な支持を得ようとしている。政府は、カンブリアのセラフィールド再処理工場に向けて航海中であるこれらの船は、環境に対して「容認できないリスク」を与えると憂慮している。
 輸送物は日本を出航後、武装した護衛のもと、セラフィールドをめざして6週間の船旅の途についた。
 グリーンピースの抗議者は、今回の輸送物には、50個の核爆弾を作るのに十分なプルトニウムが含まれていると述べている。
 アイルランドの環境大臣マーティン・カレンは、「このような輸送は、全世界、また国際社会においても容認できない」と述べた。「我々は、イギリス政府に対し、セラフィールドが抱える問題について考慮するよう、法的、外交的な圧力をかけてきた」「係争中の2つの裁判があり、いまアイルランドがなすべきことは、この問題を、国際的な会議において取り上げることである」「世界は問うこととなった−世界中をまわる非常に危険な輸送に我々は巻き込まれてしまったのではないかと。私はこのようなことは、全ての人にとって容認できないことであると思う。」

Vulnerable cargo
弱点を持った輸送物

 日本の関西電力は、1999年のイギリスからの輸送中に、データがねつ造されていることを知り、この廃棄物を拒否した。
 カレン氏は、輸送がテロリストの攻撃やハイジャックの標的となる可能性がある状況の下で、ロンドンと「密接に連絡」を行っていると述べている。
 輸送物は、潜在的に兵器に転用可能なプルトニウムとウランの混合酸化物、いわゆるMOXである。輸送船の動きを監視しているグリーンピースによれば、輸送船は「スピードが遅く、わずかに武装しているだけで攻撃には弱い」とのことである。
 今回の事態についてイギリスに抗議を強めることをを明らかにしたカレン氏は、「このような物質の輸送がアイリッシュ海を通過することは、アイルランドの環境、そして住民の健康や経済的状態にとって容認できないリスクを示している」と述べた。



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