第15回「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」への
要  望  書


2005年4月22日

主査 神田 啓治 様
検討会委員 各位 様

 六ヶ所再処理施設及び高レベル廃棄物管理施設におけるガラス固化体貯蔵建屋の除熱解析に誤りがあったことについては、1月28日に日本原燃はそれを認め、解析をやり直した結果を公表しました。また、原子力安全・保安院は同日にそれに関する見解を発表しています。

 私たちは、原燃の解析誤りに関する評価について基本的な疑問を抱き、別紙の質問書を4月22日に原燃に提出しました。また、保安院へも別紙の申入書を提出しました。この疑問点について、貴検討会としてもぜひご検討いただきたく、下記の要望をいたします。

 原子力安全・保安院の1月28日付見解では、除熱性能を確保するための対策を立てるという原燃の方針については妥当と認めています。他方、除熱解析の誤りが生じた原因や同様の誤りが他にないという原燃の確認判断については何も評価を下していません。そして、原燃の品質保証体制については、貴検討会に諮り、その妥当性をチェックしていくとしています。

 解析誤りが生じた原因は、品質保証体制と密接な関係があるはずなので、この保安院の見解では、その原因問題も含めて貴検討会に諮られるものと私たちは理解します。
その意味でこの問題は未解決なのに、保安院は原燃の改善策立案方針を妥当とし、4月18日には「設計及び工事の方法の変更認可申請」を受け入れました。私たちはその姿勢に強い疑問を抱かざるを得ません。

 私たちは、上記解析誤りの原因にもかかわる問題として、次の点で原燃の見解に強い疑問を抱いています。原燃の解析誤りは設計変更に伴うものですが、その誤りがもっとも端的に見られる第1ガラス固化体貯蔵建屋・西棟(KBW)に則して簡潔に述べます。
(1)1996年(平成8年)の変更申請のとき、迷路板の設計変更により明らかに冷却空気の流路が狭まったにもかかわらず、原燃は、ガラス固化体の温度を変更前と寸分違わない値のままで変更申請しています。原燃はその誤りの「原因」を「文献式の解釈誤り」と称していますが、それは方便に過ぎません。原燃が1月28日に公表した第2資料の表3の値は、15頁に書かれている「文献式の解釈誤り」の式からは再現されないからです。

(2)2001年(平成13年)の変更申請のときは、ガラス固化体収納管をよりギュウギュウ詰めにするという設計変更でした。このときも明らかに空気流への抵抗が高まり固化体温度が上がるはずなのに、原燃はまたもや変更前と寸分違わない温度のままで変更申請を出しています。奇妙なことに、このときの誤りについては、原燃の1月28日付資料の中では何も触れられていません。そのことを保安院が何もとがめないのも奇妙なことです。

 それにしても、2回の設計変更によって2回とも、ガラス固化体の温度が変更されなかったと
いうのは何らかの意図的行為、虚偽だとしか考えられません。これは品質保証体制の妥当性以前の問題ではないでしょうか。

 貴検討会におかれましては、このような私たちの根本的な疑問にぜひ深く立ち入って検討していただくよう要望いたします。


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