原子力安全・保安院への申入書
ガラス固化体貯蔵施設について
設計ミスを見抜けず安全審査で許可した貴院の責任を明らかにし
再処理施設のウラン試験をただちに中止するよう指示してください

原子力安全・保安院長　松永　和夫　様 　日本原燃が、ガラス固化体の４つの貯蔵施設について、誤った温度評価を行っていたことを認めたことに対し、私たちは別紙の申入書を日本原燃に提出しました。 　このような品質保証体制に係る問題は、プール問題のときにすべて洗い出され、二度と再び起こらないようにされたはずではなかったのでしょうか。ところが今回、またもや重要な欠陥が暴きだされたのです。しかし、日本原燃の見解では、この点の本質的な原因の解明、反省が何もなされていません。それどころか、早くも迷路板の改造工事を行う方針まで打ち出しています。 　ところが、それを受けた貴院は、１月２８日付プレスリリースの中で、「回答の中で、構造の設計を一部変更するとの方針を示しており、当院としても首肯できるものである」との見解を示しています。現在実施中のウラン試験については事実上容認する態度であると伺えます。これは実に驚くべき見解です。 　この問題について、貴院自身の責任についてはどう考えているのですか。貴院のプレスリリースの中では一言も触れられていませんが、これらの施設は貴院も安全委員会も過去の安全審査において許可済みの施設でした。 　ガラス固化体貯蔵施設は「安全上重要な施設」であるにも係らず、日本原燃は余りにもお粗末な温度解析をしていました。それが虚偽であることは、流路板の構造図を見れば一目瞭然です。ところが貴院は、その解析結果を「適切な計算方法及び計算条件により行われており、妥当なものと認められる」（平成１５年５月、安全性評価書）と評価し、その変更申請を許可しているのです。このような虚偽の評価による設計ミスを見逃し妥当として許可したことに、貴院は責任を感じていないのでしょうか。 　他方で貴院は、日本原燃の品質保証体制に係る問題がありうることを認め、「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」に諮り、その妥当性をチェックすることとしています。それなら、品質保証体制に問題のある日本原燃に対しては、まずすべての行為を凍結するよう指示すべきではないでしょうか。 　以下の点を貴院に申し入れします。 １．貴院は、日本原燃が行った迷路板を無視するような解析を無批判に認め、設計ミスを見抜けず安全審査で許可したことを公表し、かつその責任を明らかにしてください。 ２．日本原燃に対しウラン試験をただちに中止するよう指示してください。 　２００５年２月１日 　　　　　　　　　再処理とめよう！ 全国ネットワーク 　　　　　　　　　　　(〒039-3215) 青森県上北郡六ヶ所村倉内笹崎1521 菊川方 　　　　　　　　　核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会　代表　荒木茂信 　　　　　　　　　再処理工場について考える農業者の会　 会長　哘　清悦 　　　　　　　　　核燃を考える住民の会　代表 山田清彦 　　　　　　　　　平野良一　 　　　　　　　　　山内雅一 　　　　　　　　　【再処理とめよう！全国ネットワーク・連絡団体】 　　　　　　　　　花とハーブの里 　　　　　　　　　みどりと反プルサーマル新潟県連絡会 　　　　　　　　　グリーンピース・ジャパン 　　　　　　　　　グリーン・アクション 　　　　　　　　　美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 　　　　　　　　　脱原発ネットワーク・九州