抗  議  声  明
放射能汚染を憂慮する広範な声を無視し、アクティブ試験を強行したことに抗議する
大量の毒物を放出するアクティブ試験を直ちに中止せよ

 日本原燃は、年度末最後の今日、午後2時58分にアクティブ試験を開始した。私たちは、これを断固糾弾する。

 明日4月1日から、使用済み核燃料をギタギタにきざむせん断を始めるという。それとともに、高さ150メートルの排気筒から、クリプトン、炭素14、トリチウムの全量放出が開始される。
 さらに約半月後には、大量の放射能が海洋へ放出される。
 このような犯罪行為がどうして許されるのだろうか。
 アクティブ試験を直ちに中止せよ。

 日本原燃、青森県知事、六ヶ所村長は3月29日に形だけの安全協定を締結し、アクティブ試験実施にゴーサインを出した。国と電事連は、カネと権力でアクティブ試験を強引に推し進めてきた。
 彼らは、青森県の農業者、漁業者そして青森県民の放射能汚染に対する不安の声を踏みにじった。開拓民として厳しい気候の中で農業を守り育ててきた農業者の憤りはいかばかりであろうか。
 三陸沿岸の漁業者達の声を無視した。三陸の海に、リアスの海岸に放射能が押し寄せることに、漁業者達は「三陸の海を守れ」と怒りの声を上げてきた。しかし、原燃は、アリバイ作りのためにたった2ヶ所、2時間の説明会だけで、形だけの「安全」を繰り返しただけだった。極めて傲慢な態度である。
 青森の農産物や三陸の海の幸をこれまで通りおいしく食べ続けたいという全国の消費者の声をないがしろにした。
 これら、実際に被害が及ぶ人々に対する説明責任もはたさず、放射能汚染を憂慮する声を無視して、アクティブ試験を強行した。

 さらに、プルサーマル実施の具体的目処もない中、プルトニウム生産に突き進もうとしている。「余剰プルトニウムを持たない」という国策もかなぐり捨てた。これは核不拡散に逆行し、近隣諸国に大きな不安と脅威を与えるものである。

 私たちは、改めてアクティブ試験を即刻中止するよう要求する。
 再処理を30年以上続けてきたセラフィールドやラアーグで起きている深刻な海洋汚染や健康被害をくり返させてはならない。
 被害を被る多くの人々と連携し、毒物放出を早期に阻止するために、アクティブ試験を止めるために、今後も全力をあげて闘う決意である。

 2006年3月31日
   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会