ECRR
欧州放射線リスク委員会2003年勧告
放射線防護のための低線量電離放射線被曝の健康影響

日本語版へのメッセージ



欧州放射線リスク委員会は、放射線リスクに関する国際的な権威筋(国際放射線防護委員会ICRP、国連原子放射線の影響に関する科学委員会UNSCEAR、全米科学アカデミー電離放射線の生物影響BEIR)が用いている、現行のリスクモデルを一から見直そうとする科学者や専門家からなるひとつのグループとして創設されました。本委員会は、そのような権威筋のモデルが安全を確保するものでないことを示す、この50年の間に築き上げられてきた極めて現実的な証拠をまとめ上げようとしています。そして、現実の放射線被曝による結果が説明でき、また予測もできるようにするために、全ての証拠を考慮に入れた、新しい合理的な放射線リスクのモデルを開発するという難しい課題にとりくんでいます。本委員会が設置されて以来、このプロジェクトには世界中の数多くの地域からの科学者の参加が必要であるということが実感されるようになっています。それは放射線には国境がなく、全ての国々において罪のない人々に影響を与えてきているからです。このことは1945 年に原爆放射線の恐ろしい被害を経験することになり、さらに合衆国の軍隊がたとえどのように述べてきていようとも、大気と水、そして食物中の核分裂生成物にも最初に被曝させられた日本の人々に対して最もはっきりと言えることです。このような意味で本委員会は、我々の最初の報告書の日本語版が出版されることを歓迎します。そして、原爆放射線のもたらした健康影響について、直接の恐ろしい経験をお持ちである日本の皆さんと、さらに、この報告書に関わる主題について研究されている日本の専門家や科学者の皆さんと交流することができるようになり、また、ご意見を頂けるようになることを切に願っております。
クリス・バスビー
科学事務局長