大飯原発3・4号運転差し止め仮処分裁判 第8回審尋&アピール行動報告

ついに結審!決定(判決)は3月下旬か4月初め

●恒例となったアピール行動
 初参加の3名を含め、合計37名でのアピール行動となりました。裁判所の警備員さんとも挨拶を交わし、大阪地裁正面玄関前で30分のアピールを行いました。
 毎回、この後の審尋で結審になれば最後のアピール行動になるので、とにかく心を一つに司法を大きな声で応援しました。「今日は本当に最後のアピール行動になるかも知れないので、大きな声でがん
ばっていきましょう」と呼びかけました。本当に今日で最後になるとは、この時はまだ知るよしもありません。

●第8回審尋 原告は勝訴を確信
 傍聴席は30名以上の参加で満席となり、熱気であふれました。午前10時に開始。裁判長の「おはようございます」の言葉から始まりました。裁判長は「双方とも主張・反論は全て出し切ったということでいいですか」と静かな声で、原告と関電の弁護士に確認。双方が「はい」と答え、すぐに原告弁護人より昨日提出した主張書面(9)に関する端的な説明と、被告のひどい論理展開への批判が行われました。
 原告の主張書面(9)はこちらにあります。

◆「設置許可を前提とする限り、基準値2.2秒を超えたら運転できない」ことを双方に確認
・関電は安全性の基準・概念を変えて、がけっぷちの危険な基準に置き換えようとしている。
・制御棒挿入時間の2.2秒は、地震のときも適用されることは、国の指針や技術基準でも明らか。関電自身が福井県に対して、地震のときも2.2秒を基準として説明している。
・単一故障の仮定は福島原発事故で崩壊したのに、地震のときに制御棒が11秒までに入ればいいなどと今も主張している。行政訴訟で国は11秒を認めてはいない。
・断層調査では「活断層でないという結論」が出ていない状況では国の安全審査の手引きに従って活断層と考え停止する事の必要性など。
力強くお話しされる原告弁護人に裁判長もしっかりと耳を傾けていました。

 裁判長が関電側に「なにか・・・」と問いましたが、「特にありません」と関電弁護人からの反論は一言もありませんでした。裁判長は「破砕帯の結論はまだ出ていないようで。早期に出るかと思って前回はあのように言いましたが(裁判長は前回11月の審尋では、年末の再調査とその評価を待ちたいとの趣旨を述べていた)、時間がかかりそうです」との言葉に続けて、「3月末か、4月初めに決定を出したい」と述べました。この言葉に、傍聴席は静かに喜びにあふれかえりました。国の断層調査の結論を待つことなく、仮処分裁判の判決が出されることになったのです。

 判決まで2か月の期間があります。主張書面を読んで頂くと分かりますが、普通に考えれば誰がどう解釈しても原告の勝訴は確実です。追い詰められた関電の主張はムチャクチャです。「2.2秒は安全の基準ではない」「強いて言えば11秒程度」「地震のときは2.2秒を守る必要はない」等々。まさに自ら墓穴を掘っているようなものです。
 しかし、私達は司法を心から応援していることを形として表現していく必要があります。
 これから原子力ムラとの孤独な戦いが始まる裁判長の背中を私達が支えていかなければいけません。
 ぜひ今後も皆さんのお力を貸していただければと思います。

 2012年3月12日に提訴した仮処分裁判は、約1年の審議を経て判決が示されます。
 春には、共に勝利の判決を勝ち取りましょう。

                               
2013年1月29日
おおい原発止めよう裁判の会 事務局 武藤北斗

(13/01/29UP)