要   望   書

政府と原子力規制委員会に対し、

大飯原発3・4号機の即時停止を強く求めてください

大飯原発で事故が起これば、大阪府民にも甚大な影
北摂地域では7日間で50mSv(平均値)、大阪市内でも7日間で20mSv(平均値)

大阪府知事  松井一郎 様

 大飯原発の活断層が動けば大事故となり、大阪府民にも甚大な被害が及びます。原子力規制委員会が10月24日に公表したシミュレーションは過小評価です。この規制委員会の評価手法を基にした計算では、別紙のように、高槻など北摂地域では、7日間で50mSv(平均値)、図の扇形の中心部ではその3倍の被ばく線量にもなります。大阪市内でも7日間で20mSvに達します。福島原発事故の高い避難基準である年20mSvにわずか1週間で達してしまいます。私たちは、このような深刻な被害をもたらす被ばくはまっぴらです。約900万の大阪府民が避難することなどできません。福井県、京都府、滋賀県等々の近隣府県のことも考慮すればなおさらです。事故と被ばくを防ぐためには、原発の運転を停止するしかありません。

 11月7日の大飯断層調査団の第2回評価会合では、前回(11月4日)会合で確認された、「12万〜13万年前以降にズレが生じ、その原因が活断層によるものだ」という判断を否定する証拠はありませんでした。国の「手引き」(注)に従えば、F−6は活断層であるとみなすべきであり、調査団の渡辺氏は「大飯原発敷地内に活断層は存在する」と明言しました。さらに「手引き」では、活断層の上にSクラスの施設を作ってはならないとなっています。F−6活断層の真上には耐震Sクラスに分類されている非常用取水路が通っており、大飯原発の運転はただちに停止すべきことは明らかです。

 大飯原発をはじめ、多くの原発の下にある活断層が見落とされてきた原因は、事業者側の不適切な調査と非科学的な解釈に基づく国の杜撰な審査にあります。今なお、国や事業者は活断層であることが否定できない状態で原発を動かし、地元住民や関西の人々の命をおびやかしています。

 11月7日の会合で、島崎委員は「安全性の確認のためには、更なる調査が必要」と述べていますが、いたずらに調査を引き延ばすべきではありません。国の手引きに従い、活断層の可能性が否定できない限り、大飯原発の運転を停止すべきです。

 子ども達と大阪府民の命を守ることを最優先にしてください。大阪府民の声を重く受け止め、政府と原子力規制委員会に対し、大飯原発3・4号の即時停止を強く求めてください

2012年11月12日

提出団体:65団体

NPO地球とともに、 脱原発へ!関電株主行動の会、 毎月26日にランチタイムに関電前に集まる女たち、 暮らしを見つめるひととき、 スペースふうら、 「六ヶ所村ラプソディー」を上映する会in阪南中央病院、 放射能防御プロジェクト近畿、 原発やめよう&つながろう/関西・マダム会議、 関西大学生活協同組合、 放射能からイノチを守る南大阪ネットワーク、 大阪此花発!STOPがれき近畿ネットワーク、 mame-ten-cafe、 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、 ジャーニー・トゥー・ザ・フューチャー、 森のこや、 泉の森、 正食の店青山、 そよ風、 3・11後の安全なくらしを考える会、 阪南中央病院労働組合、茨木の環境を考える会、 福島の子どもたちを放射能から守ろう・関西、 吹夢キャンプ実行委員会、 脱原発で生きたい女たち・豊中、 放射能から子どもを守る会茨木、 脱原発・放射能汚染を考える吹田の会、 みみずの会、 福島原発からの放射能放出をやめてほしいと願う阪大病院看護師の会、 子どもたちを放射能から守る関西ネットワーク、 チームココ、 真宗大谷派 僧侶有志の会 法灯舎、 脱原発で行こう・茨木、 さよなら原発箕面市民の会、 市民のひろば、 大阪大学附属病院看護師労働組合、 関西Futureコミュニティー、 チームにっこり、 リブ・イン・ピース☆9+25、 子どもたちに未来をわたしたい!大阪の会、 放射性物質拡散NO!の会、 はちどり、 モモの家、 放射能から未来といのちを守る会・泉州、 おかんとおとんの原発いらん宣言2011、 いのちを守るネットワーク、 小太朗農園、 トゥルーグレイス、 有機農野菜の八百屋おおぞら、 原子力は核の言い換え、非核三原則を守れの会、 ストップがれき、 放射能から豊中の市民・子どもを守る会、 株式会社パプアニューギニア海産、 株式会社ミラミラ、 ラジオfmGIG タカサキワタルの種まきニュース制作チーム、 子どもたちを放射能から守ろう〜未来の会・吹田、 mother earth、 シーダー関西、 いのち紡ぐわたしたち実行委員会、 妊産婦支援「月のつぼみの会、 お産の教室「いのちの根っこ」、 エコスペースゆう&あひおひ、 GAIA-takaishi、 市民が訴える大阪宣言の会、子供たちの未来を守る@泉州、 ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン 


連絡先団体:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
 〒530-0047大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL:06-6367-6580  FAX:06-6367-6581


(注)国の「手引き」
2010年12月20日「発電用原子炉施設の耐震安全性に関する安全審査の手引き」
該当箇所は別紙参照

 9頁(下線は引用者)
V.敷地周辺の地質・地質構造等の調査
 敷地周辺(敷地を含む。以下同じ。

1.3 耐震設計上考慮する活断層の認定
(1)耐震設計上考慮する活断層の認定については、調査結果の精度や信頼性を考慮した安全側の判断を行うこと。・・・。
(2)後期更新世以降の累積的な地殻変動が否定できず、適切な地殻変動モデルによっても、断層運動が原因であることが否定できない場合には、これらの原因となる耐震設計上考慮する活断層を適切に想定すること。

 (同上 19頁)
X.建物・構築物の地盤の支持性能の評価
 建物・構築物が設置される地盤は、想定される地震力及び地震発生に伴う断層変位に対して十分な支持性能をもつ必要がある。
 建物・構築物の地盤の支持性能の評価においては、次に示す各事項の内容を満足していなければならない。ただし、耐震設計上考慮する活断層の露頭が確認された場合、その直上に耐震設計上の重要度分類Sクラスの建物・構築物を設置することは想定していないことから、本章に規定する事項については適用しない。
(解説)
 上記ただし書については、耐震設計上の重要度分類Sクラスの建物・構築物の真下に耐震設計上考慮する活断層の露頭が確認される場合、その活断層の将来の活動によって地盤の支持性能に重大な影響を与えるような断層変位が地表にも生じる可能性を否定できないことから、そのような場所における当該建物・構築物の設置は想定していないという趣旨である。なお、地震を発生させうる断層(主断層)と構造的に関係する副断層についても、上記ただし書を適用する。


(12/11/12UP)