最高裁は恥を知れ!
行政のしもべと化した「もんじゅ」最高裁判決
─あまりにハレンチな判決が、「もんじゅ」廃炉の決意を新たに引き起こす─


 5月30日、午後3時。最高裁判所の判決が言い渡される。激しく降り続く雨の中、1時間近く最高裁南門に通じる歩道で判決をまつ人々の身体は、徐々に冷えていった。「『もんじゅ』を廃炉に!」と書かれた横断幕をもつ人の顔は、いらだちと不安の表情だ。3時を少し回った頃に、傍聴者が建物から出てきた。みんな無言のままだった。「不当判決、原判決破棄 控訴棄却」。墨で書かれた垂れ幕が広げられた。「なんだこれは」、「なんという」。人々の声がざわめく。破り捨てたかったであろうこの垂れ幕を、原告団の小木曽さんと吉村さんが掲げて、支援者の方に歩み寄る。海渡弁護士が「安全審査は違法ではない」との判決骨子を読み上げる。「不当判決糾弾」「最高裁は人々の声を聞け」。抗議のシュプレヒコールが続いた。
 提訴から20年。人生の多くの時を裁判闘争に注ぎ込んだ原告達。もんじゅ事故から10年。名古屋高裁金沢支部の画期的な原告勝訴の判決は破棄され、最高裁が自判した原告逆転敗訴の判決。だれもがこんなひどい判決が言い渡されるとは予想だにしなかった。高裁への差し戻しはありえると事前のマスコミのふれこみもあったが、敗訴という事実だけを知らされたこの時には、悔しさとやるせなさで一杯だった。
 夕方6時半から、総評会館で160名が参加して報告集会が行われた。会場の正面には「最低裁の最低判決」「吹き飛ばせ不当判決」の垂れ幕。
 原告の小木曽さんが挨拶にたった。まず、20年間裁判闘争を支えてもらったことへの感謝の言葉。若干声が震えている。しかしすぐに「勝訴、敗訴、差し戻しの3つの場合を想定してやってきた。しかし想定外の判決理由だ」と毅然として語りだした。「最高裁がやるべき法律審、適切に法律が適応されているかどうかの審理は行わず、高裁で確定している事実審を行った。安全審査の対象は基本設計のみで、安全委員会が行った審査を最優先としている。行政の行ったことは正しいと言っているだけ。行政の違法をただすのは司法のはず。最高裁は司法の使命を放棄して行政に追随した。こんなことでは、原発の設置許可を裁判で争うことはできなくなってしまう」ときっぱりと批判した。床に鉄板が引いてあるのだから、安全審査としてはそれでいい。鉄板が何ミリ必要か、穴があくかどうかは詳細設計や設工認の話であり、安全審査とは関係ないというのが判決理由だ。記者会見では「怒りを通り越して、あきれてしまう」と語っていた。吉村弁護士は、「安全審査は抽象論ではない」と判決を厳しく批判した。そして、踏み込んだ「事実審」の中身は、事実誤認も甚だしいと、原告側証人を務めた小林さんが語った。
 なんともハレンチな判決だ。自らやるべき法律審を放棄し、事実をねじ曲げた「事実審」で安全審査は適法だったという。安全委員会・行政の合理的判断(裁量権)を全てに優先させた。最高裁は行政のしもべと化した。こんなデタラメな判決でしか国と「もんじゅ」を助けることができなかった。判決理由の異常さが明らかになるにつれて、怒りがわいてくる。自然と、こんなひどい判決に負けてはなるものかという気分が広がっていく。
 弁護団からは、この判決がいかに不当なものであるのかをまず広めていこうと話された。ストップザもんじゅ、原水禁、原子力資料情報室等から、「もんじゅ」を廃炉に追い込むために、今後も運動を強めていこうとのアピールがあった。集会は最後に、「団結ガンバロー」で締めくくられた。
 「もんじゅ」は本格的な改造工事に着手し、3年後の運転再開に向けて動きだす。焦点は、運転再開をどうやって阻止していくかだ。私たちも微力ながら、地元の運動と連携して進みたい。