関西電力への抗議文

四名もの生命を奪った美浜3号機事故糾弾!
全ての原発を即刻停止せよ! プルサーマル計画を断念せよ!



関西電力社長 藤 洋作 様

 昨日(8月9日)、美浜原発3号機の大事故により、既に4名もの作業員の方が亡くなられた。JCO事故に続く、我が国最悪の事故である。我々は、このような事故を引き起こした関西電力を厳しく糾弾する。もはや関電に、原発を運転する資格などない。

 経済性を最優先させた手抜き検査、定検短縮が今回の事故の直接の原因である。
 破断した配管は、運転開始以来28年間、1度も検査をしていなかった。検査のチェックリストからも漏れていたという。ずさん極まりないとしか言いようがない。下請け会社が昨年4月に点検リストに載っていないことに気づき、昨年11月に検査の必要性を提案していたにもかかわらず、それを拒み続けてきた。その責任を明らかにすべきである。
 その間、今年7月には、大飯1号機の2次系主給水管で配管厚みの半分以上が減肉していることが定検で発覚していた。大飯1号でも、2次系配管は40年もかけて配管全体の検査を行うという手抜き検査であった。この大飯1号機の減肉は、今回の事故の予兆でもあった。それを全く無視し、配管の取り替えだけで済ませてしまった。この安全性を全く無視した関電の姿勢が、今回の事故を引き起こした。
 今回の事故は、1986年の米国サリー原発での二次系配管破断事故と同様の事故でもある。関電は、海外の事故の教訓もまったく無視し続けてきた。

 事故を起こした美浜原発3号機は8月14日から定期検査に入る予定だった。しかし、事故の起きた9日には、多くの作業員が機材を運ぶなど、既に定検の準備を行っていた。関電は、定検日数を短縮するため、まだ原子炉が動いている段階で、定検の準備作業をやらせていた。このことが、大きな人的被害を引き起こした一因ではないのか。関電の責任は重大だ。

 さらに関電は、MOX燃料データねつ造事件や、今年5〜6月に発覚した火力発電所での大がかりな検査記録ねつ造等、自らに都合の悪い情報等をひた隠しにしてきた。関電の「企業文化」は、まさに安全軽視・人命軽視そのものだった。「火力と原発は別。原発では厳しい管理をやっている」と繰り返し、今回の大事故を引き起こした。美浜3号機の事故は、起こるべくして起きたものである。

 関電は、電力自由化の中で、老朽原発にムチ打って危険な運転を続けている。経済性を最優先させるために、原発が生き残るためには、手抜き検査、定検短縮が不可欠となっている。
 手抜き検査しか行われていない他の原発で、いつまた同じような大事故が待ち受けているかもしれない。次の大事故を防ぐためには、即刻全ての原発を停止する以外に道はない。

 今回の大事故を前にしても、関電はまだ、プルサーマルを行うなどと言っている。危険なプルサーマルなどもっての他だ。即刻断念するよう強く要求する。

2004年8月10日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581