抗  議  声  明
5名もの死者を出した美浜3号機の営業運転再開に抗議する


 本日(2月7日)午後3時、関西電力は5名もの死者を出した美浜3号機の営業運転を再開した。ご遺族をはじめ、多くの人々の無念や反対の声を踏みにじった運転再開に断固抗議する。

 美浜3号機事故を起こした関電の体質はなんら改善されていない。事実、2月2日には水力発電所でのデータ改ざんが明らかになったばかりである。約70年間も不法な取水を行い、それを「社内慣行」としてきた。国土交通省からは14日までに、詳細な報告を求められている最中である。さらに関電は、大飯3・4号機の温排水データねつ造についても、未だ調査中として正式な報告書も出していない。東電の不正事件に対する批判と非難は、東電のみにとどまらず、関電の不正と隠ぺい体質に向けられているのである。

 このような状況で、国は美浜3号機の定期検査を合格とし、運転再開を容認した。美浜3号機事故の国の最終報告書では、関電の「安全文化の劣化」を指摘していた。その後もデータ改ざん等の不正が繰り返されているにもかかわらず、一体どのように「安全文化の劣化」という関電の体質が改善されたというのだろうか。
関電は今日、「美浜発電所3号機の本格運転再開について」との文書を発表し、「安全最優先を改めて心に誓い」と述べている。しかし、関電の言葉と行動は一致していない。

 関電の体質は、安全性よりも経済性を優先する姿勢、国のいいかげんな安全規制、規制当局との癒着、国策としての原子力の特異性、地域独占の下で基本的に競争他社がいない電力の特異性−そこから生まれるおごり等によって醸成されている。だからこそ、何度わびても、何度「安全の誓い」という呪文を唱えても、不正事件は繰り返される。

 美浜3号機の事故原因についても、国と関電は一体となって、根本的な問題の解明を放棄した。なぜ28年間も配管検査を放置してきたのか、その放置の事実をいつの時点で知ったのか等々、未だ明らかにされていない。そして、福井県警による立件の前に、営業運転の再開を強行した。

 運転再開を強行した関電と国に対しては、より一層の不信の目が社会から注がれるであろう。

 美浜3号機事故は、老朽原発にむち打つ経済性最優先の危険な運転に対する警告であった。私たちは、この警告を無にすることなく、今後も老朽原発の危険な運転に反対していく。

 また、美浜3号機事故は関電のプルサーマル計画をも中断させてきた。事故を起こした関電の体質では、危険なプルサーマルなど問題外だとの判断が働いたからである。その体質・企業文化は未だ変わっていない。私たちは、関電がまもなく再開するであろうプルサーマル阻止に向けて全力をあげていく。

2007年2月7日
  グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
    京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
    大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581