原発の配管点検に関する保安院への緊急要請書


 美浜3号機事故では、28年間一度も点検されなかった部位が破断しました。同時にこの事故を契機に、点検リストに入っていても点検が十分になされていない部位が非常に多くあることも明らかになりました。予想外に減肉の進んでいる例も次々と明らかになっています。配管の実態がどうなっているのかが確実に把握されているとは言えない状況にあります。
 関電の原発では、点検リストに載っていながら、運転開始以来一度も検査されたことのない部位が11基で約11,500箇所もあることが明らかになりました。しかし、他の電力会社では、そのような部位がどれだけあるのかさえ明らかにされていません。
 また、点検したことがある部位でも、前回点検からすでに10年ほどの間点検していない部位もあります。事実、敦賀2号では、運転中の10月15日に2次系配管で漏えいが起きましたが、その部位は1990年3月の前回点検から14年以上も点検されないままになっていました。
 柏崎刈羽原発は地震でも、強い余震が何度も起こる中でも停止されないまま、7号機だけはついに自動停止しました。配管にも微少な亀裂が入っている可能性があるため、すべてを止めて直ちに調査する必要があります。さらに、地震はどこでも起こる可能性があるため、すべての配管の実態を緊急に調査する必要があると考えます。
これらの理由から次の点を緊急に要請します。

要 請 事 項

1.柏崎刈羽原発をすべてすぐにとめて配管などの点検をするよう指示してください。点検については、安全に関わる重要箇所以外は、余震発生の終息が宣言されてから行なうようにしてください。
2. 配管の偏流の起こる部位で、運転開始以来一度も点検したことのない部位がどれだけあるか、及び点検しなかった理由について各事業者から報告を求めてください。
かつ、その部位を直ちに点検するよう指示してください。
3.点検したことはあるものの、前回点検から相当長期(例えば8〜10年以上)にわたって点検がなされていない配管部位がどれだけあるか各事業者から報告を求めてください。
かつ、その部位を直ちに点検するよう指示してください。
4.これら事業者からの報告内容について直ちにすべて公表してください。

2004年11月9日

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