福井県原子力安全専門委員会への要望書


関西電力が運転を停止して行っている検査では安全性は確認できません

高浜2号、大飯4号、美浜2号の運転再開を認めないでください

 ■検査したのは3基の原発でわずか78箇所だけ
 ■運転開始以来、1度も検査していない箇所は3,758箇所もあります
 ■国の事故調査委員会でも2次系管理指針の妥当性についてまだ検討中です



福井県原子力安全専門委員 各位様

 貴委員会は、9月1日の会合で、関西電力が最初に運転を停止した3基の原発(高浜2号、大飯4号、美浜2号)に関する運転再開の是非についての結論を出されると報道されています。
 しかし、今回の事故は、原発の老朽化が予想をはるかに超えて進んでいること、その実態が把握されていないことを如実に示しました。この3基について、運転再開を認めないよう、強く要望いたします。

 美浜3号機事故は、5名もの死者を出し、福井県民に大きな犠牲を強いた国内最悪の事故でした。また、今回の事故は、破断した配管が運転開始以来1度も検査されていなかったことに直接の原因がありました。
 事故以降、関電が運転を止めて行っている検査は、点検リストから漏れていた部位、オリフィス下流部、大飯1号で今年7月に見つかった減肉発生箇所に限定されています。3基の原発で、点検箇所はわずか78箇所です。
 他方、検査リストには載っているが、運転開始以来1度も検査されてない箇所が多く存在します。高浜2号で767、大飯4号で1,900、美浜2号で1,091箇所。
 さらに、今回の事故によって、関電の2次系配管の「管理指針」そのものが破綻していることも明らかになりました。「管理指針」では、直径の2倍の範囲までしか減肉はおきないとなっていますが、破断した配管では、それ以上の範囲でも減肉がおきていたことが明らかになっています。また、国の事故調査委員会(第3回)でも、まだ分析している測定データが少ないこと、大飯1号の減肉データから「PWR管理指針」を見直すかどうかの問題までが提起されています。
 以上のような点から、わずか78箇所のみの検査で、安全性は確認されたとするのではなく、2次系配管全体の徹底した検査をおこない、配管の実態がどうなっているのかを具体的に把握することがまず必要だと考えます。
福井県民はもちろんのこと、私たち関西の市民の不安の声をくみ取っていただき、3基の原発の運転再開を認めないよう、要望いたします。

2004年8月31日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581