2次系配管「管理指針」の評価に関しては、
配管の減肉率が最大となるデータを用いて評価し直すことを求める
要    望    書


福井県知事 西川一誠 様

2004年9月21日

 9月17日の定例県議会において貴職は、美浜3号機事故に関して、「原子力発電所の高経年化が進む中で、安全管理の必要性はますます強まっており、こうした状況に対応した、より厳格な基準と運用、県としての監視体制が必要ではないかと考えております」と述べられました。まさしくいま、老朽原発に鞭打つような関西電力の経営方針に強い疑問が出され、国の安全管理のあり方も大きく問題になっていると考えます。
 ところが、国の事故調査委員会は、9月末に早くも美浜3号機事故に関する中間報告を出そうとしています。9月6日に福井市で開催された第4回事故調査委員会で、「中間とりまとめの骨子」が出され、9月17日の第5回事故調査委員会には、「中間とりまとめ案」が提出されました。
 その「中間とりまとめ案」では、主要な内容である現行2次系配管の「管理指針」の妥当性に関して、重大な問題があることを、保安院は自ら語らざるを得ないようになっています。それにも係わらず、問題なしとの結論だけは無理にでも早期に出そうとしているのです。この点の具体的な内容については、「別紙」を参照していただきたいと思います。
 この事故が示した重要な問題は、これまで予想もしなかったスピード(減肉率)で減肉が進んでいるのではないか、ということです。現行「管理指針」が妥当だとする保安院の根拠は、電力会社が勝手に選択した1号機1例のデータに過ぎません。このような手法は、安全性を重視する観点からは、とうてい認められるものではありません。
 いま、必要とされていることは、あるがままの実態を明らかにすることです。とりわけ、減肉率が最大となっている部位のデータを収集して「管理指針」の妥当性を評価することです。しかし保安院は、この要求をかたくなに拒んでいます。このような手法で「管理指針」を評価し直そうとはせず、早急に「中間報告」をとりまとめようとしています。そのため、以下を貴職に要望いたします。

要   望   事   項

 2次系配管の安全性を確保するために、少なくとも、配管の減肉率が最大となっているデータを使って、「管理指針」を見直すよう、国に要望してください。

2004年9月21日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
 京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581