関電が原発の順次停止を発表−−定検の前倒しでお茶を濁すな!
関電は即刻全ての原発を停止せよ!
破断の類似箇所のみでなく、全ての配管を徹底検査せよ!

 関電は13日、美浜、大飯、高浜原発の各発電所で1機づつ、順次原発を停止すると発表した。13日中に、3機の原発を停止し、停止期間は約10日程で、配管を検査するという。
 現在停止中の原発は、美浜3号(今回の事故により)、大飯3号(原子炉上蓋ひび割れが発見され4/20定検以降停止中)、大飯4号(8/10〜定検で停止中)である。

 関電は13日のプレスリリースで、下記グループ分けで順次停止すると発表した
@ 大飯4号、高浜2号、美浜2号
A 大飯2号、高浜1号、美浜1号
B 大飯1号、高浜3号

 上記@グループの3機は本日中に停止作業に入るという。この3機は、基本的に定検の前倒しである。大飯4号は、昨年8月26日に定検を終えてから1年近く運転を続けている。させに、Aグループ、Bグループの原発をいつ停止するのかも明らかにしていない。
[関電原発の運転・停止状況参照]

 11日の関電交渉報告でも書いたように、11日の段階では何年も前の検査記録の確認で安全が確保できるため停止しないとしていた。しかし、福井県知事が順次停止を要求すしたことに現れているように、福井県民、多くの市民の怒りと不安におされて、関電は順次停止せざるをえなくなった。しかし、関電の安全管理が崩れた現在、どの原発でも、同様の事故、それ以上の事故が起きても不思議ではない状況だ。定検の前倒しでお茶を濁すのではなく、即刻全ての原発を停止すべきだ。

 さらに、新聞報道によれば、停止期間は10日程と発表されているが、10日間でいったいどれだけの検査を行うというのだろうか。美浜3号機で破断した配管と同じ箇所のみを検査して、安全だというつもりなのだろうか。関電の13日プレスリリースによれば、点検箇所は、基本的に流量計(オリフィス)下流部位に限られている。

 米国トロージャン原発では、87年8月には二次系配管の流量計(オリフィス)もない直線部で大幅な減肉が起きていた。当時米国の規制当局NRCは警告を発し、全ての原発の配管直線部の検査を実施するよう求めていた。

 美浜3号機で破断した箇所、流量計(オリフィス)下流部だけでなく、配管の直線部も含めた全てで徹底した検査を行うべきである。

■関電原発の運転・停止状況(関電プレスリリース等を元に美浜の会作成)

■「減肉」米機関が警告 美浜原発事故 87年、直線部の検査求める(8/12産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/040812/evening/13iti002.htm

■関電ブレスリリース 事故に係る点検の実施について
http://www.kepco.co.jp/pressre/2004/0813-1j.html