使用済MOX燃料の行き先は決まっているのですか?(2009年6月23日付質問書)
質問と回答(7月13日)


関西電力(株)社長 森 詳介 様
2009年6月23日

 使用済MOX燃料の処理方策について、5月18日参議院議員会館で行われた市民と国との交渉で確認された点に関連して質問します(交渉は議員ヒアリングとして行われ、国からは、関係省庁である資源エネルギー庁、原子力安全保安院、原子力委員会事務局、原子力安全委員会事務局、及び文部科学省から出席がありました)。

1.  使用済MOX燃料を処理する第二再処理工場については、「建設するかどうか決まっていない」というのが国の回答でした。貴社の見解も同様ですか。

 プルサーマルに伴って発生する軽水炉使用済MOX燃料の処理の方策については、原子力政策大綱において2010年頃から検討を開始するとされており、今後国を中心として検討が進められるものと認識しております。

2.  使用済MOX燃料の処理方策は、「現時点では決まっていない」という回答でした。貴社の見解も同様ですか。

 プルサーマルに伴って発生する軽水炉使用済MOX燃料の処理の方策については、原子力政策大綱において2010年頃から検討を開始するとされており、今後国を中心として検討が進められるものと認識しております。[1と同じ回答]

3.  第二再処理工場について「2010年頃から検討を開始する」ための「準備的検討」が、国や電事連などの五者協議会で行われ、2007年3月に公表した予定では「最終成果報告」を今年3月に出すことになっていました。しかし実際には、「最終成果報告」どころか、2007年度中に出すはずだった「中間成果報告」さえ出ていないことが国の説明で明らかになりました。
「準備的検討」が遅れている理由は何ですか。

 第二再処理工場に関わる2010年頃からの検討に向けた予備的な調査・検討は、2007年12月の五者協議会での合意に基づき、日本原子力研究開発機構が中核機関として位置付けられ、鋭意検討が進められていると聞いております。ただし中間成果報告内容が遅れている理由については、承知しておりません。

4.  このような状況では、使用済MOX燃料の行き先についての保証はないということでいいですか。

 プルサーマルに伴って発生する使用済MOX燃料の処理の方策については、原子力政策大綱において2010年頃から検討を開始するとされており、今後国を中心として検討が進められるものと認識しております。[1と同じ回答]

5.  使用済MOX燃料の処理方策について、福井県は貴社から、1998年当時に説明を受けたと話されました(4月23日に福井県へ要望書を提出した時)。その内容は、ずっと以前に改訂されている原子力長期計画に基づいており、「使用済MOX燃料の処理は2010年頃に方針決定される第二再処理工場で再処理する」というものだったとのことです。
 1998年当時以来、使用済MOX燃料の処理方策について福井県に一度も説明していないのは事実ですか。そうであれば、なぜですか。

 当社としては高浜発電所、3号基及び4号基のプルサーマル計画にかかる事前了解願いに関するご説明の中で、1998年当時最新の「原子力の研究・開発及び利用に関する長期計画」をもとに、福井県殿の方へプルサーマルによって発生する使用済MOX燃料は2010年頃方針決定される第二再処理工場で再処理する計画であり、それまでは適切に貯蔵する、とご説明しております。一方2005年に閣議決定された原子力政策大綱において、プルサーマルに伴って発生する軽水炉使用済MOX燃料の処理の方策は、2010年頃から検討を開始するとされていますが、再処理するまでの間、発電所において適切に貯蔵・管理することに変わりはなく、改めてご説明は要さないと考えております。なお、原子力政策大綱については策定の段階から幅広く国民の意見を聴取して審議されており、閣議決定後もホームページなどで広く公開されており、福井県殿におかれても原子力政策大綱の内容については十分ご認識されているものと考えております。

6.  使用済MOX燃料の処理方策が決まっていない現状では、高浜3・4号機での来年のプルサーマル計画を中止すべきではありませんか。

 当社では原子力政策大綱に掲げられている使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム・ウランなどを有効利用するという方針にのっとってプルサーマルを推進することとしております。使用済MOX燃料は、再処理するまでの間、適切に貯蔵・管理することとしており、処理方策については原子力政策大綱において2010年頃から検討を開始するとされております。当社ではプルトニウムを利用することは貴重なエネルギー資源の確保につながるものと考えており、プルサーマルを計画的に利用していくこととしております。

2009年6月23日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
      京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
      大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


(09/07/21UP)