大飯3号原子炉容器出口管台溶接部の応力腐食割れ
必要肉厚を64oから70oに戻したのはなぜですか
追 加 質 問 書
[8月22日の回答]


関西電力(株)社長 森 詳介 様

2008年8月12日

1.大飯3号原子炉容器出口管台溶接部の応力腐食割れについて
 貴社は7月30日に国に再度、工事計画認可申請書を出しました。その中で[1]傷の箇所を含む箱状部分の必要肉厚を64oから53oに、[2]それ以外の部分については必要肉厚を64oから当初の70oに戻しています。
(1)傷以外の部分の必要肉厚を70oに戻したのはなぜですか。
  先ほどお答えしたことなんですが、要するに64oのときの工認届では全周一周にして削除して一元的な解析をしました。今回は、実際には削っているのは溶接の割れがあった所だけ削っていますので、他の削っていない所は削っていませんので、他の所というのは70mmで、削っている所だけ先ほど申し上げましたように3次元モデルで評価していますのでその部分に対して53mmにしています。だから(1)のご質問に対しては、なぜ70mmに戻したのかというと、もともと削っていないから。

(2)同一の溶接部分で、必要肉厚が2つ存在するのは、どのような法令に基づいているのですか。
  先ほど申し上げましたように、電気事業法に基づいて今回計算をやって技術基準の適合性を含めた工事計画の届で承認をいただいています。

2.六ヶ所再処理工場のガラス固化技術の採用について
 森社長は日本原燃の会長に就任しました。それに関連して質問します。六ヶ所再処理工場のガラス固化試験は、7月2日に半年ぶりに再開しましたがわずか半日で失敗しました。六ヶ所再処理工場の溶融炉は、白金族が堆積しガラス固化体がつくれないという根本的な問題を抱えています。六ヶ所再処理工場は全体的にはフランスの技術を導入していますが、このガラス固化技術は日本の独自技術(LFCM方式)です。
 日本の独自技術でガラス固化を進めることは、いつどこで決定されたのですか。
  六ヶ所の再処理工場のガラス固化技術の導入につきましては、昭和63年4月に日本原燃株式会社、当時の原燃サービスが導入にかかるプレスを行っていることは承知しています。ここに記載されています液体供給式直接通電型セラミックメルタ溶融方式のLFCM法のガラス固化技術というのはイギリスとかフランスの先行施設で採用されているAVM法Bというものよりも設備の長寿命化が期待されるということから同法を採用したというように聞いています。
(日本政府がこの方式を決めた、この方式を採用するとか、原子力委員会レベルとかそういう話はないのかとの質問に対し)ご質問は、日本原燃の中の再処理工場の中のガラス固化の方式をいつ決めたかという質問かと思いましたので、昭和63年4月に日本原燃さんがそれを導入すると決められたとのプレスをしましたのでそれをお答えしました。その前の段階でもっと先というのはそれは我々わかりかねます。

3.AREVA NP社から購入したウラン新燃料について
 貴社は高浜原発用にAREVA NP社からウラン新燃料を輸入しています。
(1)この燃料の被覆管及び制御棒案内管の材料は何ですか。
  被覆管、制御棒案内管の材料は、ジルカロイ4です。

(2)このウラン新燃料は既に使用しましたか。
 [1]使用した場合、いつ装荷したのですか。
 1999年6月に高浜3号機に受け入れた燃料は、第12回の定検で入れています。2000年の2月から5月。
 2004年の4月に高浜4号機に受け入れた燃料は、第15回定検で。2004年の8月から11月に入れています。
 2005年の9月に高浜4号機に受け入れた燃料は、第16回定検で。2005年の11月から2006年3月。
 2006年の3月に高浜4号機に受け入れた燃料は、第17回定検で。2007年4月から8月の定検のときに入れています。

 [2]使用していない場合、その理由は何ですか。今後の装荷予定があればそれを示してください。
  今お答えしたように使用しています。

4.プルサーマル計画について
 貴社は3月31日にMOX燃料製造契約をAREVAの子会社コジェマ社と締結しました。
MOX燃料製造が始まっている場合、いつ開始し、完成予定はいつですか。まだ製造していない場合、製造開始予定と完成予定はいつですか。
  3月31日に当社と原子燃料工業株式会社さんとMOX燃料の加工契約を締結しました。現在当社は、原燃工の熊取事業所が作成しましたMOX燃料の製造にかかる品質保証とか安全管理等なんかの詳細な計画書の審査とか、あと定期監査の監査内容とか監査項目の検討を行っています。
 元請け会社の原子燃料工業株式会社につきましては、MOX燃料集合体に使用します部品の加工、検品が終了して、当社の立ち会い検査も終了したところです。
 MOX燃料の製造前に、まずは定期監査とか輸入燃料体検査の申請を行うことになっていると、スケジュールありきというのではなくてステップ・バイ・ステップということで着実にしますということで、いつというような時期は決まっておりません。

2008年8月12日
  グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
    京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
    大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(08/08/20UP)