プルサーマル計画の準備作業再開に関する追加質問書
高浜4号機のMOX燃料データねつ造について何も書かれていないのはなぜですか


関西電力(株)社長 森 詳介 様

2008年2月1日

1.貴社のプルサーマル計画の経緯について
 貴社が1月30日に発表した「当社のプルサーマル計画について」の【主な経緯】では、
  ○H11.9.13 MOX燃料データ問題が発覚(高浜3号機用燃料)
  ○H15.10.23 報告書「海外MOX燃料調達に関する品質保証活動の改善状況について」を原子力安全・保安院、福井県、高浜町、京都府に提出
 と書かれており、肝心の高浜4号機のMOX燃料データねつ造事件についは一言も書かれていません。また、H11.9.13〜H15.10.23(1999.9.13〜2003.10.23)の間の約4年間は空白となっています。

(1)高浜4号機のMOX燃料データねつ造事件について何も書かれていないのはなぜですか。
(2)1999年12月に高浜4号機のMOX燃料にデータねつ造があったことについて、貴社はどのような反省を行ったのですか。
(3)2001年12月にコジェマ社でMOX燃料を製造しておきながら廃棄にした事実についても書かれていません。これはなぜですか。

2.フランスのアレバ社メロックス工場の監査などについて
 上記同資料では、【プルサーマル計画の準備作業の内容】として「過去に実施した原子燃料工業梶Eメロックス工場の加工施設等の品質保証システム監査の結果を確認するため、再度、監査を実施」と書かれています。また新聞などでは「2月中に社員を現地工場に派遣」「3月末までにMOX燃料加工契約を締結」すると報じられています。また社長は1月30日に、「あらゆることをオープンにして理解を得る」と述べています。

(1)監査を行うのはアレバ社のメロックス工場ですか。
(2)「再度、監査を実施」とは、2004年に行った監査を初めからやり直すということですか。
(3)監査の実施期間はいつですか。また派遣する社員は何名ですか。
(4)何を監査するのですか。
(5)BNFLのMOX燃料データねつ造事件の反省から、貴社はメロックス工場に対して、MOX燃料ペレットの寸法データについて、全て公開するよう求めますか。
(6)メロックス工場では、プルトニウムスポットの検査にアルファ線測定法ではなく化学エッチング法を用いると言われていますが、それは事実ですか。その場合、プルトニウム濃度は測定できるのですか。また、プルトニウムスポットの品質検査はペレット全数について実施するのですか。

3.耐震安全性について
(1)日本原電が、2004年に提出した敦賀原発3・4号機増設の申請書で、敷地内のボーリングデータから浦底断層について断層の下部だけを断層と評価し、古い岩盤が新しい地層の上にあるということから上部は断層でないと評価しています。
このことについて地形学の専門家が「地質学の常識を無視した意図的な評価だ。耐震安全性を緊急にチェックするべきだ」と指摘しています。
[1]貴社は、日本原電と同じ評価で美浜原発を運転しているのですか。
[2]下部と上部をひとつながりの活断層として評価するべきではないですか。

(2)敦賀湾を横断している浦底断層の評価について、政府の地震調査推進本部の評価(長さ約25キロメートル、M7.2)に比べ、日本原電の評価は、長さ約6.5キロメートルと約1/4です。美浜原発では、浦底断層の長さ及び地震動評価はいくらと評価しているのですか。

(3)貴社が現在行っている耐震安全性評価(バックチェック)での陸域と海域の断層調査データの全てを当然のことですが公表しますか。


2008年2月1日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
  京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
  大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(08/02/12UP)