大盛況 樋口健二さん「核のない未来賞」受賞記念講演会


 「売れない」写真家樋口健二さんが、「核のない未来賞」(Nuclear-Free Future Award)教育部門賞を受賞されたことを記念して、10月21日、樋口さんをお招きして講演会を行いました。その日はアメリカのブッシュ政権がアフガニスタンへ報復戦争を仕掛けている最中の国際反戦デーでしたが、50人以上の方が参加され、大盛況に。樋口さんの絶妙な語り口に大爆笑する場面も見られ、非常な盛会となりました。
 最初に行われた花束と記念品の贈呈では、クラッカーがならされ、にぎやかな幕開けとなりました。会場からも、労働条件の改善を求めて闘っておられる労働者の方が、「私たちの闘いと樋口さんの写真は、同じ視点に立っていると思います。本当におめでとうございます」と挨拶され、持ってきていただいた記念品を渡されました。
 最初に、これまで撮ってこられた写真がスライドで上映されました。何人もの被曝労働者が苦しむ姿がありありと映し出されています。その中には、昨年亡くなられた岩佐嘉寿幸さんが病院のベッドで苦しむ姿がありました。亡くなられる約2週間前の写真です。「岩佐さんがいたから、この被曝労働の問題をずっと追い続けることが出来た。生きていたら、今回の受賞をどれほど喜んでくれたことだろうに」と樋口さんも残念そうに語られていました。
また今回の樋口さんがメインだった授賞式典の様子や、「核のない未来賞」の根本精神は、軍事利用であろうと、「平和」利用であろうと、絶対的核否定であり、また核利用の一番の犠牲者は、アメリカやオーストラリアの原住民であるという反レイシズムの立場が原点にあること等を説明していただきました。本当に樋口さんにぴったりの賞だと一同納得しました。その後の講演でも、笑いを織り交ぜながらも、たとえ売れなくても、志は曲げたくないとの信念のもと、四日市、被曝労働などの問題に取り組んでこられたことを話していただきました。また日頃はめったに話されないお連れ合いとのなれそめなどをも質問に答えて語られ、会場全体がリラックスした雰囲気の中でも元気の出る講演でした。
 「今回の受賞が大きな励みになった。これからも被曝労働の問題を追い続ける」と語られた樋口さん。私たちはあらためて心からのおめでとうを言わせていただきます。

  


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