福島第一原発1号機の炉心溶融・爆発事故糾弾!

最悪の事故を予想できていながら、
深刻な事態を隠ぺいし、住民避難を故意に遅らせた政府、東電の責任は重大

周辺住民を速やかに避難させよ!
事故に関する情報を全て明らかにせよ!
原発は巨大地震に耐えられない。全ての原発を停止せよ!

2011年3月12日(18:50) 美浜の会

 3月11日に起きた三陸沖を震源とするマグニチュード8.8の巨大地震は、東北各県と関東地方に未曾有の被害をもたらしている。約700qの活断層が連動して動き、地震のエネルギーは、関東大震災の約30倍、阪神淡路大震災の約180倍にも達し、10メートルを超す津波が襲った。地震の破壊力によって、人的にも物的にも東北地方を中心に壊滅的な被害が生じている。

 そのような中、福島第一原発1号機では、炉心溶融という最悪の事故が起こり、爆発によって原子炉建屋は吹き飛び、セシウムやヨウ素などの放射能が大気中に放出されている。最悪の事故を引き起こしたことに、強い憤りを覚える。

 原子炉の冷却不能状態が長時間続き、炉内の温度と圧力は高まり、12日午後の段階で、長さ4メートルの燃料棒は、その約半分が露出した。燃料被覆管は水・ジルコニウムの酸化反応を起こし、核燃料の溶融が始まったと考えられる。ヨウ素やセシウムの放出がこのことを裏付けている。
 炉内の圧力が高まり、逃がし安全弁が開き、蒸気が格納容器内に充満。格納容器内の圧力は、設計圧力の4気圧を超えて8気圧にまで高まった(通常は1気圧)。格納容器の破壊を避けるために、放射能にまみれた蒸気を大気中に放出し始めた。しかし、12日午後3時36分頃、原子炉建屋は爆発した。これは、水・ジルコニウム反応で発生した水素による水素爆発の可能性が高い。最悪の事態である。第一原発の正門前では、空間線量は1,015マイクロSv/h、一時間で1年間の許容線量を超える程である。

 地震発生直後から、福島原発は異常な状況にあった。政府も東電も、原子力安全・保安院も原子力安全委員会も把握していたはずだ。それにもかかわらず、官房長官会見でも、マスコミも「念のための措置」、「建物内に待機していれば大丈夫」「線量は想定内」等々の無責任な発言を繰り返し、意図的に事故を小さく伝えている。
 地震発生直後から電源喪失、非常用電源は故障で作動せず。そのため事故直後からECCSは働かず、炉心の冷却能力は失われた。この初期の段階で大事故の予測ができていたはずだ。政府の緊急災害対策本部資料には、11日夜22時35分の段階ですでに、東電の最悪事故のシナリオ(福島第1原発2号機で原子炉圧力容器破損予測:23時50分頃/1号機は評価中)が掲載されている。
 それにもかかわらず、住民避難は、当日の21時23分に原発から半径2qから3qにわずかに広げ、その後10q圏内に拡大したのは翌日の5時44分だ。爆発事故が起きて放射能が大量に放出される中で、20q圏内に避難地域を広げるなど、後手後手の対応だ。
 政府の事故隠ぺいや住民避難の遅れについて、その責任が厳しく問われなければならない。

 巨大地震が原発を襲えば、今我々の眼前で起きている恐怖が現実だ。政府や電力会社が起こりえないと繰り返してきた、炉心溶融・爆発事故が、今まさに進行しているのだ。
 原発は、巨大地震に耐えられない。福島原発のみならず、他の原発もマグニチュード8.8の地震には耐えられない。

 周辺住民を速やかに避難させることを求める。
 事故の情報を全て公開することを求める。
 全ての原発を停止することを強く求める。


2011年3月12日 18:50

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
http://www.jca.apc.org/mihama/
mihama@jca.apc.org


(11/03/12UP)