2011年8月11日
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
国際環境NGO FoE Japan

緊急報告:原子力安全委員会の二重チェックは嘘だった
「保安院が報告させてくれ」と言ったから議題にのせただけ
〜泊3号の営業運転再開は認められない〜

本日、泊3号の営業運転再開をめぐる政府交渉が開かれました。

交渉の席上、原子力安全委員会は、泊3号の営業運転再開に関して保安院と安全委員会による二重チェックが行われるとされていることに関して、「原子力安全委員会は、法的に、判断する立場にはない」と発言しました。

  14時から開催された安全委員会においては、泊3号については、保安院からの総合負荷性能検査について15分ほどの説明が行われ、その後、10分程度、簡単な質疑が行われただけでした。5名の委員のうち、一言も発言しない委員もありました。斑目委員長は、「泊3号の安全性、定期検査については、保安院がしっかりとやるものです。今日の議題にあげたのは保安院が報告したいからと言ったからです」と述べました。傍聴人からは、「安全委員会は、きちんと審議して見解を述べるべき」「二重チェックではない」「こんなお手軽な会議で、泊を動かしてよいのか」「道民はこれでは納得できない」などの怒りの声があがりました。3時頃、委員長が休憩と宣言し、3時40分ごろに再び委員長が登場し、「今日はこれで閉会とします」と述べて閉会となりました。

その他、本日の政府交渉により、以下が明らかになりました。
7月8日、保安院は、泊3号の最終検査を受けるよう北海道電力を指導した。このことは、経産省の緊急安全対策だけでは「十分な理解が得られているとは言い難い状況にある」との政府見解と食い違うものである。
調整運転を行っているにしろ、定期検査中である泊3号は、他の定期検査で停止中の原発と同じであるのにもかかわらず、泊3号だけは、通常の定期検査のみで他の停止中の原発よりもはるかに軽い条件で運転再開をするのはなぜかという質問に、保安院は明確な答えを示さなかった。
原子力安全保安院は、「北海道の了承なしに、泊3号を動かすことはない」と発言した。

市民側は、「北海道の市民に説明会を開くこと」「原子力安全委員会の冒頭に、原子力安全委員会の議論は、"チェック"ではないことを委員長が明確に述べること」「泊3号を停止させること。本格運転再開を認めるべきではないこと」を要請しました。

このような状況の中で、泊3号の本格運転の再開など、許されるものではありません。

以上


(11/08/11UP)