要   望   書
琵琶湖を放射能汚染から守るため
大飯原発3号の運転再開に反対してください

滋賀県知事 嘉田由紀子様

 2006年、嘉田さんが知事に立候補されたときから、滋賀県民はもちろん県外の市民も期待を寄せてきました。そして、琵琶湖を守るための活動等に尽力されていることに感謝しています。
 さて、このたびの東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所の事故の後、報道されているだけでも酪農家の方やキャベツ農家の方の自死は衝撃的でしたし、拡散するばかりの放射能になすすべを持たない国と東京電力を見て、「原子力発電はもう動かせるはずがない、核燃サイクルも止めるしかない、そして全力を震災、原発事故からの復興に尽くすのみ」と多くの市民は思ったはずです。しかしその後、定期点検で停止している原子力発電所の再稼働、原発の海外への輸出推進など、市民の気持ちとは逆行することが進められています。
 また、20ミリシーベルトという高い基準によって避難すら保障されない方々、子供たちは毎日高い値の放射能の中に暮らし、多くの人々は現在と将来の生活に深刻な不安を抱えたままでいるのが現実です。

 嘉田知事の「地域防災計画原子力災害対策編の見直し」会見では、壁の厚さを自覚しつつも原発から自然エネルギー利用へチャレンジしていくこと、琵琶湖の放射能汚染についての調査、生物濃縮のデータの必要性などご専門を活かした提言をなされています。いずれも市民の望んでいることです。
 また、関西広域連合の中でも脱原発に向けて慎重な知事が多い中、具体的な研究を進めることを提案され、リードして下さっていることを心強く思っています。

 私達は、二度とフクシマを繰り返してはならないという思いでいっぱいです。若狭の原発で事故が起これば、関西の水瓶である琵琶湖はすぐに放射能で汚染されてしまい、関西圏の広範囲に深刻な影響を与えます。
 ところが、関西電力は、全国に先駆けて大飯3号のストレステスト結果を国に提出し、早期の運転再開を行おうとしています。他方、原子力安全・保安院はストレステスト結果の判断基準を持っていません。さらに、福島原発事故では津波の前に地震で配管が破損した可能性が高まっており、そのことを裏付ける海外の研究者の論文なども出されています。福島原発の実態を無視したストレステストや形ばかりの津波対策で運転が再開されることに強い危惧を抱かざるをえません。
 原子力安全委員会は防災範囲を30q圏に拡大する方針を出しています。30q圏内に入り琵琶湖を懐に抱える滋賀県として、当面する大飯3号の運転再開は認められないことを表明され、国などに働きかけていただけるよう求めます。

2011年11月25日
琵琶湖の水がみんなのいのち・さよなら原発ネットワーク(関西13団体)
  NPO地球とともに/(株)よつ葉ホームデリバリー京滋/京都・水俣病を告発する会/グリーン・アクション/コープ自然派京都/コープ自然派奈良/コープ自然派ピュア大阪/脱原発へ!関電株主行動の会/脱原発わかやま/日本熊森協会滋賀県支部/毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/若狭の原発を案じる京都府民

 連絡先:日本熊森協会滋賀県支部 村上美和子

(11/11/25UP)