4・9集会決議
福島第一原発の大事故の責任をとり
政府は、全ての原発を廃炉にすると速やかに決定すること

 地震と津波によって、政府、電力・原子力産業、学者、マスコミを総動員してきた「原発の安全神話」は崩壊した。未曾有の大惨事が現在も進行している。

 3基の原子炉では、核燃料が溶融し、圧力容器が損傷、格納容器は破壊され、大気への放射能放出が続いている。炉心を冷却するために水を注入しても、その水は高濃度汚染水となってタービン建屋等に溜まり続け、さらに海にまで流出している。4基の原発では、むき出し状況になっている使用済燃料プールから、放射能を放出し続けている。原子炉は数年間の冷却が今後も必要となる。このような、原発事故がこれまでにあっただろうか。

 この間にも、政府は避難区域の拡大も行わず、無責任を決め込んでいる。政府がやってきたのは、「直ちに健康に影響なし」「念のため」を繰り返し、事故と被ばくを小さく見せることだけだ。周辺住民の被ばく、高線量下で働く労働者の被ばく、そして農業者、酪農者達の不安と苦悩を省みることさえない。

 放射能汚染は、大気、土壌、水、野菜、原乳、そして海にまで広がっている。4月4日に東電は、意図的に放射能汚染水を海洋に投棄した。政府は事前にこれを認めた。全国漁業共同組合連合会は「海はゴミ捨て場ではない」と激しい怒りと憤りを表明し東電に抗議した。
 原発から北西40kmの飯舘村の土壌汚染(セシウム)は、チェルノブイリ事故時の強制避難区域の数倍にも達している。三ヶ月間の積算被ばく量は約100mSvにも達する。村は妊婦と乳幼児の避難を村の予算で実施することを12日の村議会臨時会で正式に決定する。村が決断して避難を実施する以外に、住民を守ることができないためだ。
 人々の憤りと苦悩、不安は、日ごとに高まっている。

 私たちは、以下のことを求める。

福島第一原発の大事故の責任をとり
政府は、すべての原発を廃炉にすると速やかに決定すること

[1]脱原発に転換すること
1.すべての原発の運転を直ちに中止すること。全ての新規立地・増設計画を白紙撤回すること。原子力から撤退し、自然エネルギーに転換すること。

[2]避難区域の拡大、被ばく管理、生活補償を行うこと
1.避難を求める自治体に対しては、政府がその実施を保証すること。
周辺住民の避難区域を拡大すること。とりわけ放射能汚染の高い地域と、妊婦、乳幼児、学童及び生徒の避難措置を早急に実施すること。

2.周辺住民、農業・酪農・漁業従事者の生活補償を行うこと。

3.住民の被ばく調査をていねいに実施し、長期に渡る健康管理を行うこと。被ばくに対する補償を行うこと。

4.高線量下で働く労働者の被ばく管理・安全管理・健康管理を徹底すること。被ばくに対して補償すること。

2011年4月9日
周辺住民の避難拡大!脱原発への転換を!4・9緊急大阪集会参加者一同


(11/04/09UP)