要   望   書

大飯原発3・4号の運転再開に反対する明確な意思表明をしてください
3本の活断層が連動すれば、大飯原発3・4号の耐震安全性は成り立ちません
国に対して、府民が参加し発言できる公開説明会の開催を要求してください

大阪府知事 松井 一郎 様

 政府と関西電力は、大飯原発3・4号の運転再開に向けての動きを加速させています。29日、原子力安全・保安院は滋賀県と京都府に説明に行きましたが、両知事とも運転再開に反対の見解を表明しました。滋賀県知事は「原発事故の原因が究明されていないなかで、福島を襲った地震や津波が起きても大飯原発で同じ状況にならないとどうして言えるのか、論理的におかしい」と述べました。京都府知事は「(原子力安全委員会の)班目委員長が(ストレステスト)1次評価だけでは不十分と語ったのは、我々には深刻な言葉だ」「この段階での再稼働は乱暴だ」と発言しています。また、関西広域連合は、25日、大飯3・4号の運転再開について、「現時点では、安全性や再稼働の必要性を含め、国民への説明が不十分で再稼働の理解がされているとは言い難い」と申し入れることを決めています。大阪府としても運転再開に反対する明確な意思表明をしてください。

 班目原子力安全委員長は、ストレスレスト1次評価では安全は確認できないと再三にわたって述べています。また、保安院の「地震・津波に関する意見聴取会」では、大飯原発近傍にある3本の活断層が連動するのを評価すべきという意見が多く出ています。3連動を考慮すれば、大飯原発の耐震安全性は成り立たちません。関電は3連動を考慮すると基準地震動が700ガルから760ガルに上がるとしています。保安院は28日に「この地震動を用いた施設の耐震安全性評価の実施が必要」との見解を示しました。しかし、その評価を先送りしたまま再稼働しようとしています。例えば、制御棒挿入時間は2連動でも評価値2.16秒となり、評価基準値2.2秒との間に僅か2%の余裕しかありません。3連動を考慮すれば、挿入時間は評価基準値2.2秒を上回るのは確実です。3月27日の参議院議員会館での国会議員及び市民との政府交渉において、保安院は、原発の運転には評価基準値を下回る必要があることを認めています。大阪府として、3連動の場合の安全評価を先送りせず、まず、その評価を行うよう、国に求めてください。

 大阪府が滋賀県から入手し、3月16日に公表した若狭の原発で事故が起きた時のヨウ素拡散予測は、大飯原発の事故により、府内の広範囲に住む人々に50〜100mSvという高いレベルの甲状腺被ばくをもたらすことを示しています。また、事故が起きれば、関西1200万人の水瓶である琵琶湖も汚染されることになります。このように汚染が広範囲に及ぶことが予測されている以上、私たちも大飯原発の「地元」です。しかし国は、大飯3・4号の運転再開にあたって、地元了解を得る範囲を福井県とおおい町に限定しようとしています。国に対して、大飯3・4号の運転再開に関して、府民が参加し意見を述べることができる公開説明会を開催すること、大阪府及び府民の同意なしに運転再開しないことを求めてください。

 以上を踏まえ、以下の点を要望します。

要 望 事 項

1.大飯原発3・4号の運転再開には反対であると明確な意思表明をしてください。

2.大飯原発近傍の3本の活断層が連動した場合の施設の耐震安全性評価を先延ばしにすることなく、評価を示すよう、国に説明を求めてください。

3. 運転再開に関して、府民が参加し意見を述べることのできる公開説明会の開催を国に求めてください。


2012年3月30日

提出団体
  NPO地球とともに
  脱原発へ!関電株主行動の会
  毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
  阪南中央病院労働組合
  「六ヶ所村ラプソディー」を上映する会in阪南中央病院
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

連絡先団体:
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
    大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


(12/03/30UP)