要   望   書

大飯原発3・4号の運転再開にあたっては、
まず「立地並み」の安全協定を締結すること、
市民に説明し理解を求めることが必要だと表明してください。

小浜市議会議長 池尾 正彦 様

 昨年12月5日には、大変お忙しい中、面談の時間をつくっていただき、ありがとうございました。「原子力発電所からの脱却を求める意見書」に書かれている精神は揺るがないという話をお聞きし、私たちは改めて、貴職と貴議会の強い決意にふれることができました。

 政府は、大飯原発3・4号の運転再開に向けた準備を急ピッチで進めています。18日には、傍聴者を閉め出し、反対派委員が出席しないなかで、原子力産業界から寄付を受けていた委員などの出席だけで「ストレステストの意見聴取会」を開催し、大飯原発3・4号のストレステストについて「妥当」との判断を出しました。23日からIAEA(国際原子力機構)が来日し、31日には評価を発表し、その後安全委員会の評価、総理を含めた4大臣の政治判断と、「運転再開ありき」のスケジュールが進められています。
 福井県はもとより、小浜市や滋賀県などの隣接自治体の意向を踏まえずに、運転再開の動きが進んでいます。また、福島原発事故の実態も原因も明らかになっていません。私たちは、このような状況に強い危惧を抱いています。

 今回は、昨年12月19日に全国125団体が質問・要望書を出し、原子力安全・保安院や原子力安全委員会と交渉を行い、そこで確認された重要な点についてお伝えします。

◆福島事故で地震によって配管が破損した可能性は否定できない
 交渉で保安院は、福島第一原発事故において、地震によって配管が破損した可能性は否定できないとの考えを示しました。地震後の早い段階に原子炉建屋や建屋の外に放射能が放出されたことも否定できないとの見解を示し、地震による配管破損については「今後データを集めて原因究明をしていく」と述べました。このように、事故の原因もまだ明らかになっていないのが現状です。
 他方、昨年12月には、国会に「福島原発事故調査委員会」が設置され、事故の調査・検証が進められています。6月頃に結論が出される予定です。この調査・検証を尊重すべきです。

◆原発の運転再開については、安全協定が結ばれる地域への説明と理解が必要
 また、交渉で保安院は、「運転再開にあたっては、安全協定を結んでいる自治体への説明と理解が必要である。30kmから50km圏の防災範囲では安全協定が結ばれるべきである。この範囲の自治体の意向は尊重されるべきで、尊重されない場合は、電力会社を指導する」との考えを示しました。これは、運転再開については、小浜市への説明と理解が必要だと保安院が認めているということです。
 大飯原発の隣接自治体として、約7割もの市民が原発から10km圏内に住み、20km圏内には全ての市民が住む小浜市では、福島原発事故後とりわけ市民の不安が高まっています。小浜市や貴議会が求められている、事前了解の権限を含む「立地なみ」の安全協定締結は、福島事故の被害の実態に照らし、当然の要求であり、多くの小浜市民や関西の市民も望んでいます。さらに、上記の保安院の見解から、大飯3・4号の運転再開にあたっては、小浜市と市民への説明と理解が必要です。

 また、関電が、福井県の「暴力団排除条例」に違反して、暴力団と関係している会社と契約を結び、その会社が大飯原発の工事で偽装請負をしていたことが明らかになりました。しかし、関電はいまだこの問題について一言の謝罪すらありません。関電の社会的責任が厳しく問われる問題です。そのような関電に、原発の運転再開を語る資格はありません。


要 望 事 項

1.大飯原発3・4号の運転再開にあたっては、
まず「立地並み」の安全協定を締結すること、市民に説明し理解を求めることが必要だと表明してください。

2.地震による配管破損の可能性を含め、国会の事故調査委員会での調査・検証を重視し、福島原発事故の実態と原因の解明が優先されるべきだと表明してください。


2012年1月24日

原発設置反対小浜市民の会
プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会
大飯原発3・4号の運転再開を止めよう!2月4日 関西びわこ集会実行委員会
琵琶湖の水がみんなのいのち・さよなら原発ネットワーク(関西13団体)

(12/01/24 UP)