2011年5月23日

子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク(代表 中手聖一)、グリーン・アクション、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japan、グリーンピース・ジャパン


高木大臣はどこへ? なぜ福島の親たちに会おうとしないのか?

20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)の即時撤回を!


5月23日、文部科学省前に、福島からの親たち100人を含む多くの人々が結集した。親たちの願いはただ一つ、子どもたちを放射能から守るために文科省の学校の暫定基準20ミリシーベルト(校庭での毎時3.8マイクロシーベルト)の撤回を求めて、直接、高木義明大臣に面会することだった。しかし、ついに、高木大臣をはじめ、5人の政務三役が姿を現すことはなかった(注)。

この20ミリシーベルトに関しては、内外からの強い批判・憂慮の声があがっている。文部科学省にお墨付きを与えたはずの原子力安全委員会は「20ミリシーベルトを基準として認めない」と発言している。

文科省は今になって、暫定基準は「できるだけ放射線を受けないようにするために設定された」などと弁明している。しかし、福島の現場においては、この20ミリシーベルトが基準とされたことにより、それまで、校庭での使用を控えていた学校が、準以下であることを理由に屋外活動や部活動を再開したり、運動会を実施したりしており、子どもの被ばく量を増加させる役割を果たしている。

これに対し、福島の親たちの不安と怒りの声が増している。求められるのは、20ミリシーベルトの基準の即時の撤回であり、そのための高木大臣による政治的決断である。

ところが、高木大臣はじめ政務三役は、この決断をくだすべきときに、実際に被害をこうむっている福島の親たちとの面会を拒んだ。私たちはこれに強い憤りを感じる。

ここに、改めて20ミリシーベルト(屋外での毎時3.8マイクロシーベルト)の即時撤回を要求するものである。

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注)5月2日に20ミリシーベルト問題で、大規模な政府交渉が開かれ、政務三役(大臣または副大臣または政務官)に出席してほしい旨を伝えていたが、三役は欠席した。
政府交渉後、私たちは、本問題は政治的な決断が必要とされるという認識から、5月6日に、福島みずほ事務所を通じ、政務三役とのアポイントを申し込んだ。
5月10日の段階で、福島から親たちバス2台を連ねて文科省に要請に来ることが決定。5月13日、高木文部科学大臣に会いたい旨を福島事務所経由で要望。
しかし、5月18日の政務三役会議において、「福島の親たちに、政務三役はだれも会わない」という結論した。
その後、事態を知った市民から、多くの抗議が高木大臣事務所および文科省によせられた。
5月20日(金)の15時から、本件は、再度三役会合で議論された。しかし、再度「政務三役(大臣・副大臣・政務官)」は対応しない、と結論された。なぜ、政務三役が対応しないのかの理由は現時点では不明である。


(11/05/24UP)