若狭の原発全停止という記念すべき日によせて
大飯原発3・4号の運転再開を断念するよう求める要望書

関西電力(株)社長 八木 誠 様

 本日2月20日、若狭の原発で唯一運転を続けていた高浜3号が運転を停止します。これによって、関西電力の全ての原発を含む若狭の全原発が運転を停止することとなります。今日は、美浜原発1号が運転を開始してから41年、そして関電の原発が11基となってから初の原発全停止という記念すべき日です。「原発なしでは暮らせない」と関電と政府がすり込んできた大宣伝が、大ウソであったことを現実が証明してくれる記念すべき日です。これによって福井と関西の住民は、運転中の原発による大事故の危険という恐怖と不安から、少しは解放されることになります。
 しかし、それもつかの間のことです。3月か4月には、大飯原発3・4号の運転再開を強行しようとしているからです。

 福島原発事故からまもなく1年を迎えますが、事故はいまだ終息していません。津波の前に地震で配管が破損した可能性は強まっており、事故の実態も原因もいまだ明らかにはなっていません。そして、ふるさとを引き離された人々の深い苦悩と苦痛は続き、「自主的」避難を余儀なくされた人々も、汚染地にとどまらざるを得ない人々も、放射能汚染と被ばくの恐怖を抱えて生活を続けています。

 それにもかかわらず、福島事故の実態を踏まえないストレステストと、地震の影響を無視した小手先の「津波対策」で運転再開など許されません。最後の命綱としているタービン動補助給水ポンプの配管が地震で破損すれば大事故は免れません。大飯原発近傍の3つの活断層の連動を評価すれば、現在の基準地震動700ガルを大幅に上回り、ストレステストの前提そのものが崩れてしまうことは明かです。天正地震を含む津波跡調査の再調査の結果が出るのは5月、11月としながら、なぜその前に運転再開が許されるのでしょうか。小浜市、滋賀県、京都府は、「立地並み」の安全協定締結を求めていますが、いまだこれに答えていません。

 福島原発事故がもたらした惨状を繰り返してはならない。この思いは、2月4日びわこ集会で、大飯原発3・4号の運転再開を許さない!との声となって結集し、日々大きくなっています。多くの人々の心の芯に刻まれているこの思いを、軽んじることなきよう伝えます。
 大飯原発3・4号の運転再開を断念すると表明するよう強く求めます。

2012年2月20日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


(12/02/20UP)