決して、玄海原発4号の運転再開を認めないよう、強く求める
地元住民を全く無視した傲慢な運転再開の強行は断じて許されない

経済産業大臣 枝野幸男 様

 九州電力は10月31日に、事故で停止中の玄海原発4号の運転再開を表明した。原子力安全・保安院は同日、「九州電力褐コ海原子力発電所4号の原子炉自動停止に関する原因と対策に係る報告に対する確認結果について」を発表し、九電の事故推定原因と対策は「概ね妥当」と結論づけた。さらに、「運転再開は事業者判断」として、運転再開を容認してしまっている。九電は、保安院のこの結果を受けて、地元首長や地元住民の同意は必要ないと、傲慢この上ない態度に出ている。九電と国が一体となった運転再開策動を許すことはできない。

 10月4日に起きた玄海原発4号の原子炉自動停止は、単なる「人為ミス」ではなく、経済性を最優先にする九電の強行運転の姿勢がもたらした事故だった。この事故は、これまで定期検査で運転停止中に行ってきた検査を、運転中に行い、検査の手順を停止中と同じ手順でやったために、復水器の真空度が異常となりタービンが停止し、原子炉も自動停止したものだった。より重要な機器で同様のことが起きれば、作業員の被ばく、大事故につながる。5名もの死者を出した2004年の関電の美浜3号事故はこのような典型であった。
 しかし、九電の事故報告書(10月21日付)でも、保安院の「確認結果について」でも、このような経済性を最優先させたことに起因したという、本質的な問題にはいっさいふれていない。福島原発事故後であるにもかかわらず、単なる「人為ミス」として軽く扱っている。また、最も肝心な「組織的な要因を含めた根本的な原因分析を行い、必要な対策を取る」ことは、今後の課題としてしまっている。

 さらに九電は、やらせ問題において、九電の第三者委員会が指摘する佐賀県知事の関与を否定した報告書を経産大臣に提出した。これについて経産大臣は、「報告書の再提出を求める」と厳しい口調で九電を批判した。しかし、大臣の求めに応じることもなく、九電は未だ報告書を提出していない。

 それにもかかわらず、玄海原発4号の運転再開を九電が求めるなど、言語同断である。地元住民をまったく無視する九電の傲慢極まりない姿勢は、ヤラセ問題で社会的に大きな批判を受けているにもかかわらず、なんら変わっていない。九電に深く染みついた体質であることを示している。

 玄海4号の運転再開を認めれば、経産大臣自らが九電と同じ穴のむじなであることを世間に表明することになる。
 玄海4号は、12月初旬には定期検査に入る。それまでのわずか一ヶ月の運転を強行するのではなく、このまま12月の定期検査まで運転を停止しておくべきだ。

 決して、玄海4号の運転再開を認めないよう、強く要求する。

2011年11月1日
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
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(11/11/01UP)