大飯原発3・4号の運転再開に反対する緊急署名
福井県庁にて57,490筆を提出
「活断層の3連動は県の専門委員会で検討する」
「県民説明会は検討する」

 2月22日、大飯原発3・4号の運転再開に反対することを求める緊急署名を提出するため、福井県庁に出向いた。署名は約2カ月という短期間に、総数57,490筆(紙版の署名:35,004筆、ネット署名:22,486筆)にも達した。福井、滋賀、京都、大阪、奈良から12名の市民が参加した。福井県庁10階の1006会議室で、約40分、福井県の岩永原子力安全対策課長が対応した。
 冒頭に小浜の中嶌哲演さんが署名の趣旨を述べた。そして参加者全員が一言ずつ思いを述べながら、ひと束ずつ署名用紙を渡していった。全国各地の多くの人々が、自分の周囲でコツコツと集めたこと、生協などでも広がっていったこと、一人ひとりの心のこめられた署名を重く受け止めてほしい等々訴え。また、若狭町からの参加者は、「原発が止まって雇用への不安がたくさん出て来ているが、原発が止まっているのは電力会社が安全を軽視してきた結果なのだから、電力会社が雇用について責任を持つべきだ。さらに国、福井県としても雇用の問題に取り組むべきだ」と訴えた。
 岩永氏は、大飯原発近傍の3本の活断層連動の問題については、「保安院の指示に対して、まだ事業者から回答がない。安全にかかわる問題である。事業者からの回答が出たら、県の原子力安全専門委員会で検討する必要がある」と答えた。2月1日の申し入れの時は、「3連動の評価をするかは事業者の判断」と言い放っていたが、今回は慎重な姿勢を示した。
 20日の原子力安全専門委員会で保安院が示した30項目のシビアアクシデント対策等については、「委員からもいろいろと意見が出ており、今後も専門委員会で議論する」と回答した。また、「『暫定的安全基準』については、県の求めに対する国からの回答がまだ無いとの認識である」とした。
 県民説明会を開いてほしいという要望には、「まだそういうところまで話が進んでいないが、検討する」と回答した。この点について前回は、検討することすら否定していた。
 一方、5月、11月までかかる津波跡調査については、「天正地震による大津波は無いとの考えの下での追加調査」だとした。追加調査の結果が出るまで運転再開の判断をしないようにという要望には、明確に応じなかった。
 また、関西を中心に研究者185人から成る「若狭の原発を憂慮する研究者有志」の参加者は、この有志の会が2月20日に声明を出し、滋賀県知事に面会したことを紹介した上で、福井県知事にも是非面会したいと要望した。
 署名提出行動の後、24日から始まる福井県議会の議員に、署名提出の報告と資料を渡した。

 今回の署名は、福井県知事と同時に、関西の2府4県の知事宛となっている。そのため、23日には、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県で署名の目録を提出し、運転再開に反対するよう申し入れにいく。28日には、奈良県に対しても同様の行動が行われる。

 運転再開を巡る状況が緊迫し、全国的に福井県に注目が集まる中で、県は慎重な姿勢を取らざるを得なくなっている。運転再開反対の声をさらに強め、大飯3・4号の運転再開を何としても阻止していこう。


(12/02/23UP)