湧きあがる民衆の力 〜原発さよなら関西集会に参加して〜
(京都 K)

 むせ返るような暑さの中「原発さよなら関西集会」に向かう道で、雄々しい入道雲
を見ました。夏の晴れた日に空高く湧き上がるこの雲を見ると、わたしはいつも勇気が
湧くんです。
 この日は、今の福島を知るお二人の方からお話を聞くことができました。リアルタイムで進行している現実は、重い痛みとなって心を刺しました。
 中手聖一さんのお話は、福島でおこっている出来事がいかに非人道的であるかを物語ってました。何ものにも犯されることなきはずのかけがえのない命。私は問わずにはいられないのです。この国の基本的人権は、本当に活きているのかと。
 避難してこられたお母さんの涙は、関西に住む我々にとっても決して他人事ではありませんでした。「子どもの命がいちばん大切」と語っていた母の思いは至極当然であり、人間が持つ根源的な愛だと感じました。命より経済優先でひた走るこの国のトップたちに思い出してもらいたい。自分の命に代えてでも子を守ろうとする母の愛を。あなた方の肌は、その母の愛を記憶しているはずです。
 武藤さんから説明される関西の原発の現状は、その怖さを再認識するものでした。こんな人の手に負えないようなものを、こんな危険なままで、それも命の水がめびわ湖の鼻先に、どうして始めてしまったのでしょうか。
 関西各方面からのアピールはパワーに溢れていました。熱き者たちが束になって立ち上がると、社会の舵を大きくきり直すことができると確信しました。
 私もアピールメンバーの一人として、お時間をいただけたことを心から感謝しています。私はかつて、新建材で大きく体調を崩したことがあります。福島の大いなる自然はそれを救ってくれました。福島は、私にとっては恩人そのものなんです。私に福をくれた島なんです。それだけに今、行動を起こし、福島に恩返しをしたいのです。
 集会終了後に、何人かの方にお声を掛けていただきました。「とても共感した」「同じような症状で苦しむ人の問題を考えている」「私も自分にできることをしたい」「ぜひ繋がろう」「私も手伝いたい」といった貴重な思いを伝えてくださりました。私たちは繋がればひとりじゃない。みなさん、ありがとうございます。
 原発さよなら署名に寄せられたのは、86033人の魂。
 気づかぬうちにもくもくと湧き起こり、巨人のように力強い姿となる入道雲。原発さよなら署名の一次集約をもって行われたこの日の集会は、会場に向かう道中で見た入道雲のようでした。
 入道雲よ、もっと大きくなれ!脱原発の声を雷鳴のごとくとどろかせておくれ!
 そうして一雨降ったらば、民衆が望む原発なき風景が、そこには広がっているはずだ。

(11/07/12UP)