集会アピール

 3・11福島原発事故によって、多くの人々が住みなれた故郷から引き離され、生活の基盤そのものを奪い取られてしまいました。子どもたちは被ばくの危険の中で日々の生活を強いられています。発生から4ヶ月を迎える今も事故は収束しないばかりか、労働者や住民の被ばくは積み重なり、現在と将来への不安と苦悩は深まるばかりです。未曾有の事故を引き起こした東電と政府の責任を厳しく問うていかなければなりません。

 本日、私たち「原発さよなら関西集会」参加者一同は、子どもたちを放射能から守るため活動されている福島現地のようすと現場の苦悩の声を聞きました。多くの人々の安らかな日常を奪った事故を私たちは決して許すことはできません。そして、二度と再びこのような事故を繰り返してはならないと思います。脱原発に向けた歩みを一層強めていきましょう。

 フクシマの教訓を踏まえて、ここ関西の地を見るとき、若狭に極めて多くの原発が密集しているという事実から目を背けるわけにはいきません。きっかけとなる天災はそれらを同時に襲うはずであり、同時多発的な巨大事故が「想定」されます。若狭の原発で事故が起これば、1400万人もの命を預かる琵琶湖・淀川水系は、数時間で放射能に汚染されてしまいます。一刻も早く若狭の原発を止め、私たちの生命と健康を守るために力を合わせましょう。

 全国にうねりのように広がった怒りと不安の声が、そして各地の運動が連携して、これまでの無責任でなし崩しの原子力政策に待ったをかけています。首相の要請によって浜岡原発が停止されました。加えて定期検査を終えた原発も地元の合意が得られないため停止し続けています。すでに7割近い原発が停止している状況のもと、この夏は脱原発をめぐるアツい議論の季節となります。利害関係者らによる恫喝に屈することなく、脱原発に向けた世論を前進させましょう。そのために、「原発さよなら署名」運動もますます盛り上げていきましょう。そして、残りの各原発が今後次々と定期検査を迎えていく過程で、原発なしでもやっていけるという実績と実感を積み重ね、近い将来、すべての原発が止まっている状態をつくり出し、ぜひとも脱原発社会を実現していきましょう。

2011年7月10日
「原発さよなら関西集会」参加者一同

(11/07/11UP)