「衝撃と畏怖」:ペンタゴンの灼熱地獄戦争
"Shock and Awe": The Pentagon's fiery crucibiles of war


2003年3月10日 ルーレン・モレ



「問題である大切なことに私たちが沈黙してしまう日は、私たちの生命の終わりが始まる日である」
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師


ペンタゴンは、「衝撃と畏怖」−第1次湾岸戦争の際に使用された10倍の爆弾やミサイルを投下する−が第2次湾岸戦争の戦略になると発表した。それでは、劣化ウランは10倍に使われるのだろうか?

今日、劣化ウランの塵や破片が、イラクの戦場で400トン以上、コソボとセルビアの戦場で40トン、アフガニスタンの戦場で1000トンが残されている。ダグ・ロッキのような米退役軍人の体にどれくらいの−ゆっくりと殺し、体を傷つけ、体を使えなくする−量が持ちかえられたのだろうか?

どれだけの量が、イラクの人々、イラクの子ども達、まだ生まれていない将来のイラクの人々を殺し、体を傷つけ、体を使えなくしているだろうか?そして、いままさに、私たちはこれを10倍もひどい状況にしようとしているというのか?今度は、米兵士たちはどうなるのだろう?

放射能に国境はない。コソボで投下された際、風下に運ばれ、遠くハンガリーやギリシャで、放射能がエア・モニターで検知された。クウェートでは、大気中のレベルが季節毎に変化している。劣化ウランは永久的なものである。半減期が45億年である。

劣化ウランは、ラドンのような、ウランよりもかなり強い放射性同位体に壊変する。劣化ウランは、供給されつづけ、殺しつづけている。劣化ウランは、ペンタゴンが人々を殺し、様々なものを破壊するための完璧な兵器である。この厄介物は、除去することができず、生命の生存を不可能にする。劣化ウランは地球すなわち、大気や水、そして生命に対する全面的殺戮戦争になる。

1グラムの劣化ウランが1秒間に12000個以上のアルファ粒子を放出する。劣化ウランはひじょうに細かい放射性の粉じんとして吸いこまれ、血管に入り、体中に運ばれる。劣化ウランは、ほとんど溶解しないので、血液に留まり、あるいは体の組織や臓器や骨に蓄積する。これら「ホットパーティクル」から放出されたアルファ粒子は、核弾丸のように細胞や細胞膜を引き裂き、核爆弾のような巨大エネルギーを免疫機能、神経機能、筋肉、そして脳の破壊を引き起こす。放射能は、ゆっくりと生命を維持する細胞を殺し、病気の複合体である湾岸戦争症候群がゆっくりと兵士達を殺す。

劣化ウランは胎児をだめにし、出生時欠損を引き起こしている。湾岸戦争後に生まれた赤ん坊にはおそろしい出生時欠損が出ており、目、脳、臓器、腕、足がない。ミシシッピ−の湾岸戦争退役軍人251家族を対象とした退役軍人局による研究において、戦争後に妊娠し生まれた子どもの67%が深刻だと評価される病気や障害を持っていた。出生時欠損をもって生まれたイラクの子ども達は、湾岸戦争帰還兵の子ども達と同じく、「砂嵐作戦の小さな犠牲者」なのだ。

ロッキ博士と彼の軍事専門家チームが劣化ウラン弾でエイブラムス戦車を爆破し、戦車周辺の放射能を研究するためにネバダ実験場に送られた。このチームは、劣化ウラン塵からの防護としてマスクのついた「モップ・スーツ」を支給された。このエア・フィルターが微粒子には機能しない−超微粒子はマスクのフィルターを通りぬけて肺に入る−ことを彼らは知らなかったし、エネルギー省は彼らに知らせなかった。最良のHEPAフィルターを使った場合、24時間で、直径0.1ミクロンの粒子が2800万個が肺に入る。最終的にはその期間に、その大きさの10億個の微粒子が吸引されたであろうダグ・ロッキの白内障や腎臓障害は湾岸戦争症候群の典型的なものである。1月に、1週間の講演ツアーで私たちが行動をともにした。私は彼が息苦しそうで、ひじょうに疲れやすいことに気づいた。彼は、指の感覚がなく、関節にひどい痛みがあると訴えた。

カナダの湾岸戦争帰還兵で、公式には1999年に湾岸戦争症候群によって亡くなったテリー・ライオデン隊長が、彼の体を調査に提供した。彼が戦争に行く前は、彼の目は赤褐色だった。目の色は、帰ってきた際に青色になり、そして灰色になり、死ぬ間際にはほとんど濁っていたと、彼の妻は私に話した。高レベルの劣化ウランが彼の骨や組織や脳から検出された。彼は骨ガンにかかっていた。彼女が夫の死について法律委員会の前に証言している間に、彼女の家は強盗に入られた。高レベルの劣化ウランが彼の体に取り込まれていることを示す彼の医療記録が盗まれた。

ペンタゴンの灼熱地獄戦争では、ダグ・ロッキやテリー・ライデオンや数万人の兵士をわざと防護しなかった−ベトナム戦争で、イラク戦争で、そして未来の戦争で。湾岸戦争における劣化ウランの使用は、戦闘で放射能兵器を使用しないという46年間のタブーを破り、軍事的、法的先例を作り出した。これは、未来の戦争で、核兵器の使用をより可能にしようとする計画的な戦略である。

しかし、この図版上には、さらに多くのものがある。ドナルド・ラムズフェルドは「スーパー・ソルジャー」を作るために、全米の「連邦研究所や私立大学の調査炉」に数十億ドルをつぎ込んでいる。脳を刺激する薬や電磁的器具を作るためのこの研究は、5回の犯罪を犯しているジョン・ポインデクスターのもとで、次期防衛調査プロジェクト機関(DARPA)によって指揮されている。この「戦闘兵士高度化プログラム」は「若い男女にホルモンや神経系や遺伝子上の組替がほどこされ、内蔵機能や脳機能を管理するために体内にマイクロチップや電極が埋め込まれ、普通の人間性−睡眠欲求や死への恐怖や仲間である人類を殺すことへの抵抗−を殺すためにドラッグを使う」6ことに関連するものである。

しかし、本当のテロリストはだれなのか?米兵士を無慈悲な帝国戦争に送り出すためにマインドコントロールし、ドラッグで突然変異体を作ろうとしたがっている人々は、自らを「愛国者」、「崇高な指導者」、「キリストの信徒」として描いている。そして、これらの戦争で戦う男女−愛国者ダグ・ロッキやテリー・ライデオンのような−を尊敬することを望む私たちがいる。私たちは、貪欲で強欲なエリートに反対しているので、−私たちは「反逆者」であり、「反戦扇動家」であり、「民主主義の敵」である。私にとって最も嬉しいことは、私たちが多く、もっと多くなっていることである。これは「私たちがあまりにも何度も見てきた」戦争である。

(ルーレン・モレは独立系科学者であり、カリフォルニア州バークレー市の環境委員である。彼女は、劣化ウランと低線量放射能の公衆衛生への影響の専門家である。彼女は「放射能と放射線および公衆衛生プロジェクト」とともに活動している。http://www.radiation.org

1. Depleted Uranium: Metal of Dishonor International Action Center
http://www.iacenter.org/depleted/mettoc.htm
2. A Different Nuclear War: Children of the Gulf War by Takashi Morizumi
http://www.savewarchildren.org
3. LIFE Photoessay "The Tiny Victims of Desert Storm"
http://www.life.com/Life/essay/gulfwar/gulf01.html
4. Letter to Congressman McDermott: Declassified 1943 memo to General L.R. Groves - a blueprint for depleted uranium
http://www.mindfully.org/Nucs/2003/Leuren-Moret-Gen-Groves21feb03.htm
5. "Depleted Uranium Weapons: the Whys and Wherefores" A. Gsponer
http://arxiv.org/PS_cache/physics/pdf/0301/0301059.pdf
6. "Monsters Inc." The Ecologist
http://www.theecologist.org/article.html?article=372
7. Photoessay "This is War"
http://www.thememoryhole.com/war/thisiswar/