★翻訳資料★



安く、そして人を殺す原子力の副産物
Cheap and lethal nuclear by-product 
ガーディアン紙 2001年1月12日

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 セラフィールドにある国防省のコールダーホール原子炉とダンフリーのチャペルクロス原子炉とを操業している英国原子燃料公社(BNFL)は、昨日、湾岸戦争中に国防省に劣化ウラン部品を供給したが、それ以降はしていないと述べた。
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WISE(返答メール 2001年2月9日)

 1990年6月、英国原子燃料公社(British Nuclear Fuels plc)に対して Edlow International Company は、76,205kgの劣化ウランを輸出するためのライセンスXSOU8695を受け取った。その劣化ウランは「ユーラトム諸国によって、遮蔽物質とバランサー用の重り(20%)と兵器(80%)として用いるためのウラン金属を組み立てる」ためのものである。
 1992年2月、BNFLは、弾薬の部品の研究開発のための劣化ウラン38,555kgに対するライセンスXSOU8719で最終荷受者として登録された。
 1992年8月、BNFL(plc)は劣化ウラン38,555kgに対するライセンスXSOU8716で最終荷受者として登録された。
 1993年10月、BNFL(Inc.)はランカシャーのプレストンにあるBNFL(plc)に120,203.2kgの劣化ウランを輸出するXSOU8725ライセンスを受け取った。その劣化ウランは「軍事用と民事用の劣化ウラン市場で使われるためのものだ。用途は非核用である(95%は通常兵器、5%は商業用)。」
 これらのライセンスを含む情報から、BNFLが徹甲弾の部品のいくつかを作っていることが明らかである。
 そして、それらの部品は、より一層の仕上げとテストのために Wolverhampton にある 英国兵器特殊金属(Royal Ordnance Speciality Metals Ltd.) と英国兵器会社(Royal Ordnance PLC) の弾薬部門に供給された。

Edlow International Company:核燃料等、原子力関係の輸送会社(本社ワシントンDC)
BNFL(plc):"plc"は、public limited company 英国で言う株式公開会社のこと。BNFL(plc)はアメリカの子会社BNFL(Inc.)と区別するために plc と表記。


CORE BRIEFING No: 02/01 2001年1月12
Cumbrians Opposed to a Radioactive Environment
劣化ウラン弾−BNFLの寄与
Depleted Uranium Shells − BNFL's Contribution


 劣化ウランの健康影響についての、現在のメディアの関心は、徹甲弾として使用された物質に被曝した帰還兵の主張に主として焦点が合っている。軍事目的のための劣化ウランの供給者にはほとんど注意が向けられてこなかった。
 今日のガーディアン紙は、以下のBNFLの言い分を引用している。BNFLは1991年の湾岸戦争当時に、英国防省に劣化ウランを供給していたが、それ以降はやっていないと言うのである。しかしながら、合衆国からの諸文書は違うこと、BNFLは遅くとも1993年には、見かけ上は英国防省の代理人として、合衆国から「裏口を通って」武器のために劣化ウランを輸入する手配をしていたということを示している。
 COREが保有している、1993年10月付けの輸出文書は、ライセンスを受けているアメリカ支社BNFL(Inc.)から、120トンの劣化ウランをBNFL(荷受者)が輸入することに対する、合衆国からの輸出の認可を示している。供給者として、その文書の中で名前のあがっている他の関係者は、シンシナティにある、米エネルギー省・ファーナルド環境回復部門(Fernald Environmental Restoration Mnagement)である。輸出ライセンスは有効なものであり、International ProgramsのSecurity and Safety Coorporation Officeの輸出部副部長によって署名されている。
 国務省の政治軍事問題の部局からの1ヶ月前の文書は、BNFL(Inc.)による輸出申請書が「徹甲弾(95%)と商業用(5%)の製造のために、BNFL(plc)によって使用されるための120,203.2kgの劣化ウラン」に関係していることを示している。
 西カンブリア沿岸にある、Eskmeals演習場で、1981年から1995年まで−湾岸戦争後の数年間、劣化ウラン弾のテストプログラム(イギリス、チャレンジャー戦車での使用を含んでいる)が実施された。南西スコットランドのKirkudbridge演習場でのテストプログラムは1982年に始まり、今日まで続いている。両演習場でのテストは、国防省からDERA(Defence Evaluation and Research Agency)に委託されている。
 1990年代の初頭、BNFLは約30,000トンの劣化ウランの在庫があることを認め(多くは、チェーシャーにあるBNFLのカペンハースト濃縮工場にあるが、スプリングフィールドの燃料加工工場やチャペルクロスやセラフィールドにある)、原子炉用の核燃料の製造のための濃縮からの副産物と、使用済燃料の再処理の生産物という二つの出所から生じているものと説明している。



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