Kosovo DU contains recycled uranium

コソボの劣化ウランはリサイクル・ウランを含む

環境特派員アレックス・カービー  BBC News Online2001年1月16日



 国連によれば、初期試験結果において、コソボで発見された劣化ウランの破片に、ごく微量のリサイクルされたウランが含まれていることを確認した。
 リサイクルされたウランの放射能は劣化ウランのものより高い。この発見は、コソボおよびボスニアで米国が用いた、さらに湾岸戦争で米英軍が使用した劣化ウラン兵器の純度について疑問を提起する。

 両方の紛争での多くの退役軍人は、劣化ウランにより彼らの健康にダメージを受けたと考えているが、要求は米国と英国政府そしてNATOによって拒絶されている。
 国連環境計画(Unep)のチームは、今月はじめに、彼らがコソボで訪れた11カ所のうち8カ所で劣化ウラン弾の残骸を発見したことを報告した。

 毒性試験
 チームは、兵器と土壌、水、および植物の両方、340のサンプルを集めた。そのサンプルは現在、5つのヨーロッパの試験所で毒性と放射性の両方について分析されている。

 Unepによれば初期の試験結果は、1999年にNATOに標的にされた場所で発見された7つの劣化ウラン弾頭 − 装甲車を貫通できるように設計された兵器の先端 − が、ウラニウム236を含むことを確認した。
 Unep職員は、U−236の存在はその劣化ウランの一部が再処理されたウランに由来することを示していると語った。
 この情報は、Unepによって劣化ウラン分析作業のために使われている5つの研究所のうちの1つによってもたらされた。

 結果を待っている
 その研究所によれば、その劣化ウランのU−236含有量は非常に小さいので、放射能毒性はU−236の無い劣化ウランと比較してもほとんど変わらない。
 しかしながら、Unepによる最終評価はすべての研究所からの結果が利用可能になってからなされるであろう。
 Unepの責任者、クラウス・テプファー(Klaus Toepfer)博士は、WHO(世界保健機構)とUnepの他のすべてのパートナーにリサイクルウランの調査結果(発見物)を評価するよう求めていると語った。

 コソボの土壌の試験
 同位体分析は、弾頭のウランの0.0028%がU−236であることを示した。
 Unepの劣化ウラン・アセスメント・チームの責任者は前フィンランド環境大臣Pekka Haavisto である。
 彼がBBCニュース・オンラインに語ったところでは、「量は非常に小さい。私の理解では、これは原子炉内にあったウランであり、その後、それは核廃棄物になるか、さもなければ再処理される。」
 彼は、弾頭がリサイクルされた核廃棄物を非常に微量しか含んでいないと語った。

 ダストサンプル
  「我々の心配は少し増大した」と、Haavisto 氏は言った。「それは過程にかなり異なった見方を投げかける。それが我々が注視していこうとしているものであり、我々は他の4つの試験所に非常に慎重に残存物の同位体組成を分析するように依頼した。」
 ダストサンプルがまた、兵器周辺の現場から集められつつあり、同様にU−236のために分析されるであろうと、彼は言った。

 昨年、米国エネルギー省は、初期の(数回の)劣化ウランのテスト・ラウンドがほぼ確実にリサイクルウランを含んでいたと述べた。
 同様に「微量のプルトニウム」が米国内の民間原子力発電所に保管されている若干の劣化ウラン備蓄に含まれるかもしれないことも一般に認められている。



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